心の傷の治し方…山下智久「コード・ブルー」第9話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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ホント毎回、このドラマは内容が濃くて記事を書くのが一苦労なんですが…





今回も充実した内容でした。お見事としか言いようがない…





フジテレビ 月曜21時
「コード・ブルー」第9話

主演―山下智久
脚本―林宏司
演出―葉山浩樹





今回のテーマは「心の傷」。医者は体に負った傷の縫い合わせ方をいろいろ知っているが、心の傷の治し方はわからない…という藍沢(山下智久)のナレーションで始まります。





患者と家族のためを思ってしたのに、人殺し呼ばわりされ、患者のことが怖くなってしまった緋山(戸田恵梨香)。





母の死は自分を生んだことが原因の自殺だと知ってしまった藍沢。





医師である父をヒーローのように慕い、この道に進んだが、その父が余命わずかと知ってしまった白石(新垣結衣)。





それぞれに心の傷を負った3人。その傷を癒すのは難しいけど、その傷のおかげで他人の痛みがわかる…という回でした。





中心的なエピソードは2つ。いずれも突如訪れた不運に悲痛な決断をしなければならなかった患者とフェローとの話。





1つはバイク事故で足の手術をした青山さん。今まで仕事人間で子供を母親に預かってもらっていた彼女は、





いつの間にか息子が9歳になっていて、大人として巣立つ18歳まで、もう半分しかないと気付き、一緒に暮らすことになっていたのです。





しかし…脳腫瘍が見つかり後遺症が残る可能性があると言われた上で手術に…。




やはり右手右足が不随という状態になってしまいます。





母と一緒に暮らせることを楽しみに、見舞いに来た息子に事情は告げず、仕事のためにまた一緒に住めなくなったと言う青山さん…





まさに断腸の思い…
今まで自分が勝手にしてきた報いだと…涙ながらに自分を呪う彼女に、





「あなたはいいお母さんです」と言ってあげる藍沢。息子と過ごせる時間が短いと思っただけでも…と。





母に一緒にいることを放棄された藍沢だから言える言葉。いたわりでした。
悲しいシーンでしたね。




会社の人が来るからとメイクしようとしてできない青山さんに、藍沢が勧めて、緋山にさせてたのは、緋山にとって、心の傷を治すきっかけになりそうでしたね…
藍沢のナイスフォローでした。





そして、もう1人は大ケガをしてドクターヘリで搬送されたスキーヤーの田上。





これまでも何度もケガをしてきたけど、その都度克服してきた彼は、体のケガなんて何てことない…心さえ折れなければ…という主義だったのですが…





腕にしびれが出て調べたところ、脊髄をやられていてこのまま無理すればスキーどころか寝たきりになってしまう…





スキーはもう諦めるしかない…という残酷な事態になってしまいます。





幼い時からスキー一筋できた男が、それを失う苦しみ。そして娘に自分が滑る勇姿を記憶させたかったのにという未練。
察するに余りあります。





そんな田上に白石は自分の父の話をし、ヒーローでいるよりいつまでも元気でいてくれた方がいい…と訴えかけます…





結局スキーを諦めることにした田上。自分の勇気の証であるケガの時入れてたボルトのペンダントを、もう要らないと白石に渡していくのですが、





白石は田上の娘にあげるのでした。大人になったら、それが何かお父さんに聞くようにと言って…





ここも良いシーンでしたね。





そして、心配なのは心臓を一時止めるという難手術を行わなければならなくなった田所部長(児玉清)。





奥さんがとても良い人で、この夫婦のくだりも良かったし…





付き添えない母親に代わって、喘息の少年のそばにずっといてあげた藤川(浅利陽介)のエピソードも良かったし…






今回の評価は…8




高水準を保ち続けている林宏司の脚本に敬服です!!