どちらも春ドラマの中では傑出した作品です。
今回は遂に母と娘が引き裂かれるに至る話でした…
NHK 火曜22時
「八日目の蝉」第5話
主演―檀れい
脚本―浅野妙子
演出―藤尾隆
不倫相手の娘をさらって薫と名付け、親子同然の暮らしを続けている希和子(檀れい)。
逃亡生活はもう何年にもなり、今はエンゼルの家で親しかった久美(坂井真紀)の実家のある小豆島に身を寄せています。
この島は景色も美しく、住んでいる人たちも皆優しくて、ずっとここにいられれば…と願わずにはいられない場所。
久美の母(吉行和子)は、娘が離婚し、孫は相手に奪われてしまったので、孫のように薫のことを可愛がってくれていました。
慈愛に満ちた吉行さんの演技が、しみじみと素晴らしく、希和子に会いに帰ってきた久美につらいことを言われ耐えるくだりも、その後の別れも良かったですね。
このドラマは脇のキャストがホントいいんですね。
希和子のことを慕い、何かワケありとは知りつつも、自分が二人の面倒を見たいと願う漁師の文治(岸谷五朗)。
岸谷がぶっきらぼうな中にまっすぐな思いをにじませる…高倉健ばりの演技を見せ、これも好演。
しかし、文治の思いを受け止められない希和子。
いつまた薫と逃げなければならなくなるか、わからないですからね…
天使の散歩道と呼ばれる引き潮の時に小島とつながる道でのシーンは、美しく切ないシーンでした。
薫と生きる道を選ぶというナレーションが風景とも重なり、浅野妙子の脚本が光っていましたね…
島の祭りの時に撮られた希和子と薫が映っている写真が新聞に載ってしまい、警察が島にやってきます。
もう少しというところで、母と娘は引き裂かれてしまいました。
その時、希和子が何を叫んだのか覚えていない…成長した薫(北乃きい)。
あれ以来、涙が枯れたという彼女はその後、どんな暮らしを送ったのか…
あの時希和子は何を叫んだのか…
二人は再会するのか…
次回は早くも最終回。
あと1回でそんなに描けるのか疑問ですが…
もっと長くやって欲しかったですね…これなら。
民放のように9回10回くらいやっても良かったのに…残念です。
脇もいいけど、檀れいのひたむきな感じもいいんですよね…。もっとドラマに出て欲しい女優さんです。
今回の評価は…

意味深な「八日目の蝉」というタイトル。今回、希和子と薫の会話で出てきましたが…
たった7日しか生きないけど、蝉は1日1日を神様に感謝して生きる…
希和子にとって薫との日々はそんな日々だったんでしょうね。
せめてあと1日…それがかなわなかった悲しみ…
ってことなんでしょうか?そのへんも最終回でわかりますかね…