これでこそ!NHKのドラマです!!
民放では作れない攻めの姿勢を感じさせます…
人間の心の暗部に踏み込み、えぐりだすようなドラマ作り…
特に今回は内容的にも充実し、緊迫感みなぎる見事な回でした。
NHK 土曜21時
「チェイス~国税査察官」第4話
主演―江口洋介
脚本―坂元裕二
演出―野口雄介
「復讐」というサブタイトルから、てっきり春馬(江口洋介)が妻が死んだ事故と村雲(ARATA)のつながりを知って復讐を始めるのかと思いきや…
村雲の檜山(中村嘉津雄)への復讐でした。村雲は檜山の愛人の子供で、そのために身代金目的で誘拐され、その時に村雲は腕を切断されたらしく、村雲の母もそれを苦にして死んだらしいんです。
村雲の生まれ故郷、奈良の吉野の山に昇るご来光の美しさを懐かしむ檜山を、その場所へ連れていく村雲。
檜山の言う通り、「この世のものとも思えない美しさ」の朝日の前で、村雲は自分の正体を檜山に知らせます。
衝撃を受け、復讐のため自分に近づいたことを悟り怯える檜山。
ARATAの凄まじい迫力…が圧倒的でした。
檜山を脳死状態に追い込んだ村雲は、息子の基一(斎藤工)に相続税を少なくする手段を教えます。
資産で株を買い、関連施設に事故を起こして暴落させ、そこで檜山を死なせて相続税を払う…
その後株価が戻ればまんまと資産は戻るというしくみ。
どうやって株価を戻すかは、よくわかりませんが…(汗)
復讐のために悪の道をひた走る狂気をARATAが冷徹に演じていて、やはり江口洋介を食う存在感です。
このドラマがすごいのは前回もそうでしたが、国税査察官を正義の味方みたいに描いてないところ。
脱税のアドバイスをするOBの税理士が前回は出てきましたが、今回は直属上司の新谷(益岡徹)が、風俗店から口止めの金をもらっていたのが分かりました。
仕事が多忙なあまり妻は離婚し、息子は借金を作り、その返済のため金を受け取ったのですが…、
その息子とも疎遠のままのようでした。
春馬には息子とキャッチボールを久しぶりにしたなんて言ってましたが、新谷が自殺したあと家に行ったら、壁にボールを当てた跡が…
悲しい話でしたね。
いよいよ村雲を怪しみ始めた春馬が、いかにその悪事をつきとめるか?
次回が楽しみです!!
今回の評価は…
次回はまた野球中継の後で放送時間がずれこみ、視聴率が悪くなりそう…
もったいないドラマです…