歴史の流れの中でケシ粒ほどの命…「龍馬伝」第20話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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幕末というのは新しい時代の幕開けに向けて、歴史が大きなうねりを見せた時。




さまざまな若者たちが、それまでの身分格差を乗り越えて、エネルギッシュに行動し、その多くが志半ばで倒れていきました。





坂本龍馬のように永遠のヒーローに、その後なった者もいれば、





今回、無念の死を遂げた平井収二郎のように、さほどその生きざまを知られていない人もいたわけです。





まだ収二郎などは有名な方かもしれません…もっと無名な人のおびただしい死があって、時代は変わったのでしょう…





どちらが悪いわけではない…勝(武田鉄矢)が言っていたように、ものの見方が違っただけ…
そんな者同士が憎み憎まれ、殺し殺される…

そこに言い知れぬ無常感のようなものを強く感じました。





NHK 日曜20時
「龍馬伝」第20話



主演―福山雅治
脚本―福田靖
演出―大友啓史




龍馬は勝の私塾を維持するための金を幕府が出してくれないため、勝に命じられ、良き理解者の松平春嶽(夏八木勲)に出資を頼みに行きます。





そこで春嶽の政治顧問的存在の横井小楠(山崎一)に、収二郎の投獄は
「今まで値打ちのあった者が古びて用無しになっただけのこと…」
「世の中の流れから見れば1人の人間などケシ粒ほどのものでしかない…」





…と、言われます…
うーんしょぼん
シビアな言葉だけど、その通りですね…





武市(大森南朋)の命乞いむなしく、収二郎(宮迫博之)は朝廷に勝手に取り入った罪で切腹を命じられます。




武市と収二郎のやりとりは重く切なかったですね…

自分が土佐勤王党など作らなければ…と詫びる武市に、晴れがましいこともできたし幸せだった…と妹加尾(広末涼子)に伝えてくれと頼みます。





そうしてケシ粒のように…死んでいくのです。
理不尽を受け入れて…。





もう1シーン、心に残ったのは土佐に帰ってこいと迎えに来た兄の権平(杉本哲太)と龍馬のやりとり。





龍馬を待っている間に、龍馬たちがめざすものを理解した権平は、志半ばで倒れてはいかんと励まし、龍馬は10年後には帰ると言います。





しかし、この4年後には龍馬は死んでしまうので、これが兄に会う最後だったかもしれません。





それを思うと、何とも切ないシーンでした。





今回の評価は…8




非常に中身の濃い充実した回でしたね。





顔のアップを多用する大友啓史の演出が、ぐいぐいと見る者を引き込んでいき…役者の感情をあぶり出していきます。
剛腕ともいえる演出ぶりです。





久しぶりに登場の弥太郎(香川照之)と坂本家の女性陣とのやりとりは笑えました。





まだまだ世の中の流れには弥太郎は飲み込まれないようですね…