前回の収二郎に続き、窮地に追い込まれつつある武市(大森南朋)と以蔵(佐藤健)。
幼なじみの彼らを助けたいのに何もできず、ジレンマを感じる龍馬(福山雅治)。
毎回、印象に残るシーンがあるこのドラマ。
今回は、勝(武田鉄矢)に龍馬が説得されるシーンと、
武市が投獄される朝の、妻富(奥貫薫)との長い会話のシーンでした。
NHK 日曜20時
「龍馬伝」第21話
主演―福山雅治
脚本―福田靖
演出―渡辺一貴
土佐藩の役人からも新撰組からも追われて、京都の市中を逃げ回っている以蔵を探したいし…
土佐に戻った武市が収二郎のように切腹させられないよう命乞いをしたいし…
海軍の勉強どころではない龍馬は、勝に暇乞いをします。
しかし、勝は以蔵を探し出せないし、土佐に帰っても何ができるんだと龍馬を諭します。
龍馬を見込んで弟子にした勝は、今龍馬を殺されるわけにはいかない…と必死で龍馬を説得するんです…
龍馬の思いと勝の思いがぶつかりあい、その師弟愛の深さに打たれました。
こういう時の武田の金八さながらの熱弁は、スゴい説得力がありますね…
のちに龍馬が死んだ時、勝はさぞ悲しむんだろうな…と、そんなことまで思ってしまいました…
もう1つの武市夫婦のやり取りは、静かな会話の中に深い思いがこめられていて、10分近い長いシーンが大森と奥貫の好演で全く長く感じませんでした…
武市は龍馬や弥太郎(香川照之)のように自分は生きられなかったと後悔します…
理想をかかげ、それに突き進んだつもりが、あっけなく今や握りつぶされようとしていて…
自分がやりたかったことは何だったのか?
この世に何か残すことはできたのか?
この期に及んで、まだ容堂(近藤正臣)のために働かねば…などと考えている愚かさ…
下士から上士に引き立ててもらった…その恩義だけのために。
その容堂が自分を殺そうとしているのに…
私めはどうもこの武市という男が好きになれませんでしたが…
弥太郎と会って、弥太郎の生き方を初めて認めたり、
妻に寂しい思いをさせて悪かったと詫びたり…する姿に、
こういう生き方しかできなかった男の哀れを感じ、胸がしめつけられました。
藩の役人が捕縛のため押し掛けてきても、まだ妻とこの先二人でやりたいことを語り合っているのが…切なかったですね…
今回の評価は…
次回は更に痛切な回になりそうです…