これまでにこれほど、おのれの無力さに涙する坂本龍馬ってあったでしょうか?
今回もラストに以蔵(佐藤健)を救えなかった無念で流す涙は印象的でした。
とかく前向きに豪快に歴史の荒波の中を歩んだイメージの強い龍馬ですが、
この「龍馬伝」が一貫して描いてきたのはヒーローではない等身大の坂本龍馬なのです。
NHK 日曜20時
「龍馬伝」第22話
主演―福山雅治
脚本―福田靖
演出―大友啓史
武市(大森南朋)が投獄されたと聞いた龍馬(福山雅治)は、せめて以蔵は追手より先に探し出してかくまってやりたい…と、京の町中を必死で走り回ります。
追手に殺される恐怖に怯えながら逃げ回る以蔵。恋仲だったなつ(臼田あさ美)のもとに身を寄せますが…
追手に怯えるなつを気遣い、また出て行きます…
その時の佐藤健が見せた、何ともいえず寂しい眼が、印象的で…
さらに凄かったのが、龍馬がやっと会えた時の取り乱し方、武市先生に頼まれて良かれと思って人を斬ったのに…
龍馬と会ったのも束の間、新選組や藩の役人に追いかけられ捕まってしまうまで佐藤健、渾身の演技でした。
色鮮やかな干した反物や傘が、ホコリにまみれた以蔵の哀れを引き立て、名シーンでした。
クライマックスによく流れる、女性の哀感たっぷりの声の入った曲が、今回特に胸をしめつけました。
原田泰造の近藤勇と龍馬の一騎討ちも、凄味がありました…
泰造はしゃべらないと怖いですね…演出と脚本のうまさでカバーしてます。
龍馬も剣術にたけてますが、近藤も同様に使い手だとわかる殺陣にちゃんとなってました。
今回から、龍(真木よう子)が登場しました…
気が強い魅力的な女性になってましたね。
今後の龍馬とのからみが楽しみです。
あと、我が道をゆく弥太郎(香川照之)がいいアクセントになってますね…
今回の評価は…
佐藤健、この役をやって大きく成長しましたね…
今後が楽しみです!!