今回はなかなか見ごたえのある回でしたが…
肝心の龍馬の影が薄くなかったですか?
いいんだろうか?これで…と思いながら見ていました。
NHK 日曜20時
「龍馬伝」第26話
主演―福山雅治
脚本―福田靖
演出―渡辺一貴
なぜ影が薄かったのか?
それは…
初登場の西郷吉之助役の高橋克実。
生徒を前に演説した勝「金八」海舟役の武田鉄矢。
毒饅頭をめぐる岩崎弥太郎役の香川照之と岡田以蔵役の佐藤健。
この4人が印象強い演技をしたからなんです。
まずは高橋克実の西郷さん。
西郷さんと言うと、上野の銅像をイメージして、親しみやすいイイ人を想像しがちですが…
実際はなかなかしたたかな策謀家だったそうで…
そのへんを踏まえて、この「龍馬伝」でも西郷を描くようで…
人なつっこいように見えて、実は油断のならない男という感じを、高橋克実が巧みに演じてました。
龍馬はこれ以上長州を攻めるのをよして欲しい…
争っていると外国につけいられる…と意見するのですが…
薩摩軍の参謀である西郷に、勝の弟子というだけで、何者でもない龍馬が意見するなど、おこがましい話で…
そのへんの器の大きさの違いが出てました。
続いては、
解散することになった教え子たちを前に、最後の言葉をかける勝。
金八ばりの大演説。
「君たちは私の希望である…」
とこれからの日本を託す、その言葉には重みがありました。
ちょっと鼻につくけど、緩急自在、ハッパをかけたり声を抑えたり、やっぱり聞き入ってしまうんですね。
感涙する龍馬。
まぁ普通といえば普通。
頑張ろう!的な…
…で、今回最も印象強かったシーンが、武市(大森南朋)から以蔵に食べさせるよう毒饅頭を託された弥太郎が、意を決して差し出すシーン。
以蔵を不憫に思い、死なせてあげたい気持ちは山々なのですが、やはり自分が殺すことになるのに怯える弥太郎。
これで死ねる…と受け入れようとする以蔵。
結局、一度は渡した饅頭を取り上げて去っていく弥太郎…
「舌を噛みきる力もないのに…」と死ねない無念にさいなまれる以蔵。
香川と佐藤が迫真の演技でした。
以蔵が哀れでなりません…
武市もいい加減しゃべれよ!…ったく!!
佐藤健頑張ってます!
今回の評価は…
龍馬をもうちょっとすごい人に見せられませんかね…そろそろ…。