若い役者が成長していく過程を見るのも、連続ドラマを見続ける楽しみの一つです。
例えば佐藤健。
「ROOKIES」「ブラッディマンデイ」の1と2、「メイちゃんの執事」「龍馬伝」と見てきて今回の初主演。
堂々と主役をはっている姿を見て、そのめざましい成長ぶりに、こちらまで嬉しくなりました…
よくぞここまでと…。
日本テレビ 土曜21時
「Q10」第1話
主演…佐藤健
脚本…木皿泉
演出…狩山俊輔
まず言えることは、今まさに花開いた感じの佐藤健を堪能するというのが、女性視聴者にとってこのドラマを見る第1の楽しみとなるでしょう。
キャラ的には同じ脚本家の「野ブタ。をプロデュース」の時の亀梨和也のやった役に近く、平凡で今の子らしくどこか冷めていて、でも熱いものもあって…
という役。
面倒くさがりながらも、Q10(前田敦子)にいろいろ教え、逆に触発されたりするさまを、気負わずに演じています。
以前は目がギョロギョロして貧相に見えたこともありましたが、そう見えなくなったのも役者としての尾ひれがついた証拠です。
さて肝心の中身についてですが、なんか変だな~と違和感を覚えた方も多いと思います。
そもそもロボットの女の子が出てること自体がヘンテコですが…
通常の学園ドラマとは一風変わっています。それこそが脚本家木皿泉ワールドなのです。
ロボットを拾ってきちゃう校長(小野武彦)
その知り合いで何故か学園に居座ってる変なおばさん(薬師丸ひろ子)
まだ独身で老母(白石加代子)と2人暮らししてる担任(田中裕二)
などなど…変な人たちが次々登場します。
そして、ロボットの言葉を通じて、人間の深~いところを突いてくる…
例えば…「リセットしますか?」とか「大きな声を出すと助けに来てくれる」とか…
あの手この手で攻めている感じ。一筋縄ではいかない脚本。その個性の強さが私めは好きです。
2人暮らしの田中裕二親子がロボットを引き取ったら、家が明るくなった気がする…と語りあう…何気ない会話で、普段のこの親子の生活がうかがえる…みたいな上手さが、この脚本家の特徴でもあります。
第1話を見る限りでは、木皿の仕掛けがすべて上手くは行ってなくて…疑問なところも見受けましたが…
うまくはまればユニークな学園ドラマの傑作にもなるとも思います。
ただ、前田敦子のあのロボットの演技はどうでしょう?
そこまでせんでも…と思いましたけどね…
もっと自然でもいいのでは?
今回の評価は…
「怪物くん」で怪物くんが人間の基礎的なことを学んだように、ロボットに主人公が人間の基礎的なことを教わっていったら面白くなるかもしれません。
第2話では突拍子のなさに初回を見て離れる人もいるでしょうから視聴率は下がりそうですね。
ただ木皿泉らしい視聴者にこびない姿勢は続けて欲しいです。