日本テレビ 土曜21時
「Q10」第7話
主演…佐藤健
脚本…木皿泉
演出…佐久間紀佳
その4組とは
平太(佐藤健)

影山(賀来賢人)

久保(池松壮亮)

小川(田中裕二)

どのペアもちゃんとした恋人の関係ではない…微妙な関係。それが切なさを生むのですが…
学校に登校してきて平太とQ10を監視しようとする月子(福田麻由子)に、Q10を奪われまいと平太はQ10を連れ、ひなびた港町へ…
しかし、充電器を持って来なくて、Q10は充電切れの状態になってしまう…
重いQ10を持ち運ぶわけにもいかず、月子に見つからないよう廃船に隠すことに…
前回渡されたQ10の涙全部が入ったビンを見て、Q10と別れる日が来ても、Q10は泣かないのだなと思う平太。
ロボットに恋した男の切なさが伝わるいいシーンでした。
お互い好きなのに別れなければならない影山と河合は、せめて幸せなシーンを撮影しようと二人が結婚して子供ができて…といろんな想定場面をビデオに撮ることにします。
この行為自体が何とも虚しく切ない…
楽しそうに撮っていればいるほど胸をしめつけられました…
更に悲しかったのは久保と山本。
実は日頃よく話をする同じ病気の患者の容態が急変…死んでしまったのです。
帰ろうとする山本に一緒にいてくれ…と頼む久保。
自分もいつかそうなるかもしれない恐怖にかられて、1人でいるのがたまらなくなったのでしょう…
生前のその患者のことを話す久保…
「まぁいいか…こんなヤツがいても…って思うようにしてんだ」と話していたと…
いつ死ぬかわからない自分の運命を受け入れる痛切な言葉だと思いました…
微妙な表情の演技で心の通いあいを見せる池松、蓮佛の演技が実に良くて、短いシーンながら強く印象に残りました…
遺体に深く礼をして見送る久保から落ちる涙も…
山本という好きな人ができてもっと生きたい気持ちが芽生えてきた久保の、いつか自分もこうして見送られるのか…という思いがこめられているようで心打たれました。
最後にいつもほのぼのした交流を化学準備室で見せる小川と柳。
あんパン(クリームパン?)に1本のろうそくを立てて柳の誕生日を一緒に祝う2人。
好きです…と書いた紙で告白しようとした小川は、うっかり「ヘンシン リセット」と昔やってたネタを書いた紙を渡してしまい…
ネタをご披露…いたく柳は感銘を受けてくれるのですが…
恋に不器用ないい年をした男を田中裕二が好演してます…
名女優薬師丸ひろ子を相手に気負いなく自然体で演じている姿勢に感心してます。
あと、パン作りを始めた藤丘(柄本時生)が初めて作ったパンを持ってきたら、「明日の匂いがする」と柳が言って、小川にもかがせるシーンも「明日の匂い」という言葉にひかれました。
メインの2人だけでなく、サブキャラにも注がれる脚本家の愛情の深さを感じるいいシーンが、今回はちりばめられていました。
今回の評価は…

小川の母役の白石加代子の影山、河合ペアの撮影での臨終の言葉…
「高野豆腐が水につけたまま…」には笑いました…
絶妙にシュール!