極私的「Q10」総評…あの頃に戻れたら… | 連ドラについてじっくり語るブログ

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秋ドラマで私めが最優秀作品賞に選んだのは、
木皿泉脚本、佐藤健主演
「Q10」でした。





では、なぜ「Q10」を選んだのか…





身もふたもないことを言ってしまうと、私めはこの手の学園ものに弱いんです。




特に大恋愛があったわけでもなく、ごく平凡に、どちらかといえばさえなかった私めの高校生活…(涙)。





それでも部活に文化祭や体育祭に仲間と励み、地味ながらもあの頃の自分は輝いていたな…ピュアだったな…と思う…わけで、





自分が年を重ね、いろんなことに疲れ、薄汚れた中年になればなるほど、あの頃への懐旧の念は更に高まるばかりなのです。

あの頃に戻れたら…

あの頃、もっとこうしていれば…と。





私めがこの「Q10」を評価したいのは、50代夫婦の共同ペンネームである脚本家木皿泉が愛情を込めて高校生を描き、彼らへのメッセージを強く感じたから。




年を取ったからこそ言える…
かけがえのない時を生きる高校生たちへ贈るメッセージ。

不器用でいいんだよ…

自信がなくてもいいんだよ…
心のままに生きなさい…

君たちは輝いているんだから…





脚本家木皿泉は、現代の高校生にフォークソングの名曲を歌わせたり、アナクロな要素を持ち込んで、昔も今も不変の青春の輝きを描いていました。





ロボットのQ10との恋という非現実な設定は、逆にロボットにシンプルなことを言わせて、メッセージをストレートに伝える手段ともなっていました。





主人公の平太は平凡ながら、心優しき高校生。
いきなり自分に起きた非現実と向き合いながら、懸命に対処する姿を、佐藤健がストレートに演じ、好感が持てました。





主人公の平太をとりまくクラスメートへも、脚本家の優しい眼差しと愛情が注がれていて、それぞれのキャラが非常にイキイキと描かれていましたね。





賀来賢人、柄本時生、細田よしひこ、蓮仏美沙子、高畑充希、そして病院にいる池松壮亮。





いずれも好感の持てるまっすぐな演技でした。





あと前田敦子はロボット声、ご苦労さまって感じ。
今回では彼女の評価はしづらいですね。
次回に期待ということで。




そして、若者たちをとりまく大人たちも、みな心優しき善人たちで、それぞれが若者たちにアドバイスをさりげなく与えるシーンが良かったです。





平太の両親役の光石研と西田尚美
校長の小野武彦
担任の田中裕二
その母の白石加代子
学校に居候している不思議な教授の薬師丸ひろ子





まるで現代のファンタジーかのように、みないい人でしたね。





中でも、いつまでも独身の息子とその母の2人暮らしのわびしさを田中、白石がリアルに演じていて、笑わせてくれました。





仕事が忙しくて、心がぎすぎすしていた時だけに、このドラマの優しさが、胸にしみたのかもしれません…