初回の2時間スペシャルの中身の濃さといったら…
もうホントにどれだけの時間と手間隙をかけたのか?…と、ただただ頭の下がる思いのする出来映えでした。
初回で仁(大沢たかお)は栄(麻生祐未)の脚気を直すばかりでなく、
さまざまな人と関わっていきます。
その一人が佐久間象山(市村正親)。龍馬(内野聖陽)が師と仰ぐ勝海舟(小日向文世)の更に師にあたる人物。
進歩主義的で当時としてはは斬新な考えを持っていた象山は、攘夷派によって暗殺されるのですが…
このドラマでは実は瀕死の重傷ながら生きていて、龍馬が仁に助けてくれと頼みに来たので、仁は迷いながらも京都へ行くのです。
自分が救うことで、歴史を狂わせてしまうのではないか…というジレンマ。
これは前シリーズから引き続き、仁を悩ます問題で…
特に今回は、龍馬を暗殺から守るかいなかというクライマックスが控えているわけですが…
今回の象山もその前哨戦のようなもので、今後も幕末の動乱の中に巻き込まれながら仁は次々と試練を与えられることになるようです。
象山に未来から来た人間と見破られた仁に、一命をとりとめた象山から、実は自分は子供の時に木から落ちた拍子に未来へ行ってしまったことがあると告白されます。
だから、その時見聞きしたことを過去に戻っても伝えようとしたというのです。なるほど、だから凡人には理解できないほど進んだ考えだったわけですね…
結局、一旦救いはしたものの、長州と幕府軍の戦火が象山の病床に迫り、象山は自分を置いて逃げろと言います…
そして象山は、仁に歴史を変えるために神はお前を送り込んだのだ…だから恐れず人を救え…と言い残します。
「江」の光秀では気の毒だった市村正親の迫力の演技でした。
そうして仁は、焼け出された京の町人たちを救い始めるのですが、
新撰組に拉致され、薩摩藩屋敷に連れてこられます。そこには虫垂炎に苦しむ西郷隆盛(藤本隆宏)が…。
これも神が自分に与えた使命なのか…と、仁は手術を行います。
手術中に西郷を亡き者にしようと刺客が乱入し、仁の目の前で斬られたり…
手術後、戻ると西郷に使ったペニシリンが最後で、救いかけてた少女も死に、その後もなすすべなく多くの人を見送ったり…
救える人、救えない人…
という神のいたずらに仁はおのれの無力を感じるのです。
龍馬は言います…
志なかばで死んでいった久坂玄瑞を思い…
死んでいった者が、もう一度生まれてきたいと思える世の中にしなければいかん…と。
震災後の今だから余計に心に響く言葉でした。
内野の龍馬はやはり良いですね…
この龍馬には死んでほしくない…という魅力に溢れています。
とかく、すぐ悩みがちな仁ですが、栄を救った喜市の言葉にも勇気づけられ、脚気の人々を救っていく決意を新たにします…
それがまたトラブルのもとになるようですが…
綾瀬はるかも、相変わらず…いいです!
「ドタキャンなるもの…」ってやりとり…笑えました。
横浜で子供たちを教えようとしている野風(中谷美紀)は、ストーリーにからみづらそうですね。
今回の評価は…
堪能いたしました…
スタッフの熱意に敬意を表したいです。