江戸の世に生きる意味…「JIN-仁-」第5話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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手術中に体が消えてしまう仁。





現代に戻ってしまうのかと思ったら…さにあらずで…




TBS 日曜21時
「JIN-仁-」第5話



主演…大沢たかお
脚本…森下佳子
演出…那須田淳





お初という少女を救うと、お初は仁(大沢たかお)の先祖と結婚し、その血が継がれて現代の南方家に至るが、そこにいる子供は仁ではない…





つまり、お初を救うと仁は存在しないことになってしまうのです。





それで一旦は消えかかった仁…しかしお初の容態が悪化、仁はまた戻りお初は死んでしまいます。





ちょっと肩透かしをくらった展開でした。





で、今回の本筋は白粉に入っている鉛による鉛中毒で手足に毒が回り舞台に立てない歌舞伎役者坂東吉十郎(吹越満)をめぐる話。





田之助(吉沢悠)の頼みに「無理」と尻ごむ仁に田之助は「医者に無理なんてねぇだろ…何とかするのが医者じゃねえのか!」と一喝され…





仲間の医師たちの協力もあおぎ治療をすすめます。





役者バカで放蕩していた吉十郎には、女房とともに追い出したものの、その女房も男と逃げたのでまた頼ってきた息子与吉がいました。





治療がすすみ、何とか舞台に立とうと執念を燃やす吉十郎に対し、与吉は寡黙で決していい顔をしません。




先が短いと覚悟した吉十郎は厳しく与吉を稽古し、与吉は芝居に嫌悪感を持つようになっていたのです。





手足を切れば命を助けることができますが、田之助は仁に命の値打ちってのは長さだけなのか?と問います。





そこで仁は吉十郎が動けるようにサポーターを作ってあげ、それをつけて吉十郎は舞台に立とうとします。




しかし、ギリギリで他の役者に迷惑をかけては…と倒れる芝居をし、楽屋で与吉のためだけに一世一代の芝居を見せます…





自分の生きた証を息子に継いでもらいたいという執念。吹越満の渾身の演技でした。





反抗的だった与吉も父の思いに打たれ、
「大和屋~日本一~」と
涙ながらに声を掛けるのでした。





この与吉役の大八木凱斗という子役さんも、優秀な子役でしたね…
目の演技ができる子でした。
ホント、なんで次々にこう優れた子役が出てくるんでしょうか?





仁は今回のことで歴史に抗って命を救おうと躍起になるのでなく、吉十郎の芸のように歴史の修正力に抗うものを残したい…という思いを新たにし、ペニシリンの粉末化に励みます。





全体の流れの中では小休止的な回でしたが、見ごたえのある回でした。





今回の評価は…8





ちなみに、沢村田之助も実は舞台でのケガが原因で脱疽という病気になり、手足を切断しても舞台に立ち続けた役者なんです。





それがヒントでこのような話を原作者が作ったんでしょうね。