最終回は洋貴(瑛太)と双葉(満島ひかり)が今後どんな関係になるかがじっくりと描かれました。
フジテレビ 木曜22時
「それでも、生きてゆく」最終回
主演…瑛太
脚本…坂元裕二
演出…永山耕三
文哉が自首した後、双葉は草間家に通わなくなった父駿輔(時任三郎)に代わって、真岐(佐藤江梨子)の病院へ嫌がられても足しげく通います…
そして決意するのです…
真岐の意識が戻るまで、真岐の娘の母親代わりとして面倒を見続けようと…
そこまで加害者の妹としての十字架を背負って生きていかなくても…と私めなどは思ってしまうのですが…
そこから逃げずに前向きに生きてゆくための双葉なりの決断なんですね。
それを洋貴に告げたのが、いつもながらのギクシャクした会話で、お互い相手とずっと一緒にいたい…という本当の思いを確認しあった後という皮肉。
二人の関係を築くためなら自分は被害者の兄ということを忘れることもできる…とすら言う洋貴と、
加害者の妹としての立場を忘れることは許されないという覚悟に揺らぎのない双葉。
「もう決めたことです。ごめんなさい。それが私の見てる明日です」
せめて1日だけ2人の立場を忘れて普通のカップルのようなデートをしよう…と遊園地で遊ぶ2人の姿が何とも切ないものでした。
そして、デートの日の夜、やはり決意の変わらない双葉を、ぎこちなく抱きしめる洋貴…
「ホント言うとずっとこうして欲しかったです…わたし的にだいぶ嬉しいことです」
なのに何故…
やはり納得いかない洋貴。
「加害者の妹だからです」という双葉の去り際の言葉は何とも言えませんでした。
そして、離ればなれになった2人は相手の思いを書いてはおみくじのように木の枝に結びます。
洋「つかんだ手に込めた思いが届きますように…悲しみの向こう側へ」
双「悲しみの向こう側へ」
洋「進め」
双「進め」
そして前に進むために洋貴が取った行動は、妹が殺された日に返すはずだったビデオを返すことでした。
止まっていた時間が動き出した…という意味なんでしょうね。
ちょっとニヤリとさせられるラストでした。
2人の成り行きをじっくり描いたことで、改めてこのドラマが描きたかったのは、決して恋に落ちることなど許されない立場の男女の葛藤だったのだと思いました。
瑛太も満島ひかりも非常に繊細かつナチュラルに演じていて、最後まで文句のつけようがなかったと思います。
ただ、文哉がなぜ少女を殺したのかは、駿輔に母親の顔が思い出せないと言って暴れたり、洋貴が見せた母親の写真に号泣するだけではよくわかりませんでした。
もっとそちらもかみ砕いて表現して欲しかったと思います。
とりあえず今日は最終回の感想のみで、総評はまた別の日に…
今回の評価は…