闇にか~くれて生きる、俺たち妖怪人間なのさ~
という主題歌の歌詞が改めて心に深く響く感動的な最終回でした。
日本テレビ 土曜21時
「妖怪人間ベム」最終回
主演…亀梨和也
脚本…西田征史
演出…石尾純
人間になりたいなら、人間の中にある悪の心を解放させる自分を受け入れて合体しろ…とベムたちに迫る謎の男(柄本明)
ベムたちはそれでも人間になる方がいいのか…悩みます。
夏目(北村一輝)はこれ以上苦しい立場に彼らをいさせるのは忍びないと人間になって欲しいと願い…
3人をコンサートに誘います…
「こんな華やかな場所に来てもいいんでしょうか…」と戸惑いながら嬉しくもあるベム(亀梨和也)。
しかし、喜びはつかの間でそのコンサート会場に逃走中の強盗犯たちが乱入、夏目や教授一家、ベムたちは人質になってしまいます。
じっとしていれば正体はバレないものを、悪を見過ごすわけにはいかないベムは、強盗たちの前に立ちはだかり…
「悪を見過ごしては、ただの妖怪になってしまう…」と断腸の思いで言います…
この時の何とも言えず切ない亀梨の表情!
そんなベムに同調する表情を見せるベラ(杏)とベロ(鈴木福)
絆の強さを感じさせる、2人の表情もまた素晴らしかった!!
そして、3人が妖怪人間に変身し、強盗たちの銃弾の盾になるところは、彼らの悲しみが心に突き刺さる名シーンでした。
自分たちを優しく受け入れてくれた人たちの前で醜い姿をさらさなければならない切なさ…
しかし、なりたい自分になれない彼らの姿を見て、夏目家も教授一家も自分たちは「なりたい自分」にならなければ…と前向きになるのです。
ベムは妖怪人間のまま生きることを覚悟し、謎の男を骨の杖で刺して殺します。
殺される男も満足げな表情を浮かべました。きっとこの男も妖怪人間として生きていくのが、もうイヤだったんでしょうね…
ラストは夏目が危ういところを誰かが…
姿は見せなくても守っているという終わり方でした。
闇に隠れて生きる道を選んだベムたち。
深い余韻の残るラストでした。
今回の評価は…
このドラマは醜い姿ながら清らかな心を持つ妖怪人間の目を通して…
苦しいと悪の心に負けてしまう人間の浅ましさを痛烈に描いていました。
メイン3人が共にベストの演技で、映画化や続編は間違いなくあると思います。