見ごたえある昭和の群像劇…「運命の人」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今クール私めが期待度ランキング1位にしたこの作品。





予想どおり(苦笑)視聴率はふるいませんでしたが、内容はぎっしりと中身の詰まった見ごたえのあるものでした。





TBS 日曜21時
「運命の人」第1話



主演…本木雅弘
脚本…橋本裕志
演出…土井裕泰





佐藤栄作をモデルとした佐橋総理(北大路欣也)が、在任中に何とか実現させたいと願う沖縄返還。





しかし基地の問題などアメリカ側と折り合わない点は多々あり…





それを日本側が屈辱的に譲歩し、裏で密約を交わし交渉を成立させたという出来事。





これをかぎつけ、懇意にしている外務審議官(石橋凌)の、秘書的な事務官(真木よう子)から極秘文書のコピーを入手し、スクープ記事を書くエース記者が主人公。





他紙に負けないためには、政治家や官僚にくいこみ、貪欲に情報を得ようとする新聞ジャーナリズム華やかなりし頃がそこには描かれています。





自信たっぷりでちょっと鼻持ちならない感じの男を本木がなりきって演じていて、この男が今後どんなひどい目にあっていくのか…期待感を持たせました。





献身的なその妻には松たか子。昭和にはまだ存在したタイプの妻を古風に演じていて、スキャンダルに巻き込まれていく中で、どうこの妻が支えていくのか…こちらも期待大。





そして今回、あまりにスピーディーな展開で、主人公になぜそこまで協力的になり機密を漏洩したかがつかみづらかった事務官役の真木よう子。





まぁ…家に帰ると病弱で家にいて嫉妬心から妻のチェックが厳しいイヤミな夫(原田泰造)がいるので、ギラギラして魅力的な主人公に引かれたんだな…とは分かりましたが…





つかみどころのない不思議な色気を漂わせ、こちらも適役。





中心となるこの3人が良いので、それを取り巻く豪華な共演陣も、負けじと良い演技を見せてくれています。





車の中からジロッと睨む北大路欣也の目力!



冷徹さを底に秘めた感じの次期総裁候補の一人小平正良役の柄本明のうさんくささ…



主人公のライバルで、政治家からの賄賂も平気でもらって利用する山部(モデルはナベツネ!)役の大森南朋のしたたかさ…



他にもぞろぞろまだ出ていますが…
政治家も官僚も新聞記者も人間くさく個性的だった時代がよくわかり…こんな時代もあったんだなと感慨を覚えます。





「龍馬伝」や「コードブルー」の音楽も担当した佐藤直紀の音楽が、ドラマチックに盛り上げてワクワクさせます。





女性視聴者や若い視聴者には受けにくいテーマなので視聴率が厳しいのは仕方ないでしょう。





じっくり大人のドラマを楽しみたいと思います。





今回の評価は…7