草なぎ剛の静謐な演技…「37歳で医者になった僕」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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春ドラマで私めが期待度No.1にしたのがこのドラマ。




その初回はおおむね期待に反しない出来でホッとしました…





フジテレビ 火曜22時
「37歳で医者になった僕~研修医純情物語」第1話



主演…草なぎ剛
脚本…古家和尚
演出…三宅喜重





演出が草なぎ主演の「僕」シリーズ3部作のすべてに参加していた三宅喜重だけに、草なぎの感情表現を抑えた演技も、それにより醸し出される作品全体の空気感も「僕」シリーズによく似ています。





今回草なぎが演じる紺野祐太は一流食品メーカーの社員だったのに…何かのきっかけ(おそらく婚約者の事故…)で退職。





婚約者を治したいという意図もあってか医学部に入って卒業し、37歳で研修医になり大学病院に入って…という話。





一般企業にいた紺野にとっては旧態然とした大学病院には不可解なことが沢山あって、それに異を唱え軋轢にもめげず自分の理想に向かっていくという展開のようです。





静謐なたたずまいの中に、それでもゆるぎない信念をしっかりと持っているという紺野を、草なぎはあたかもそういう人であるように演じています。





言葉を失った婚約者のすず(ミムラ)と手話でやりとりするシーンはほのぼのとした優しさに満ちていました。
草なぎの微笑みパワーですね。





ただ、これは草なぎというより脚本の責任ですが、難解なカンファレンスやムダなコピー資料、無意味な教授回診などへの異議には納得感がありましたが…





口から物が食べられないと判断された多田さん(北村総一朗→迫真の名演)に、上司に無断でゼリーが飲み込めるか試すのは、結果オーライの暴挙に見えてしまって…





ちょっとどうかな…とは思いましたね。
もっとうまいやり方があったような気はします。





さて、そんな紺野を取り巻く病院の人たちですが…
水川あさみ演じる優秀な研修医は、彼女の欠点のキンキン声ではないので安心して見られるとして…





あとの2人、チャラ男キャラの八乙女光とボンボンキャラの桐山漣はどっちか1人でもう1人は地味顔の劣等生キャラ(かつての濱田岳や山崎樹範みたいな…)が良かったですね。
どうもあの2人にリアリティーがありません。





脇のキャストへの不満はそれぐらいで…





人当たりはいいが実は冷徹そうな佐伯教授役の松平健は、善悪の見分けがつかないファジーさをうまく演じてますし…





その腰巾着的な存在の中島医局長役の鈴木浩介も、いかにもって感じで演じていて絶妙です…





今後紺野の良き理解者となってくれるであろう森下准教授役の田辺誠一も、おそらくこの人もかつて紺野のような研修医だったんだろうなと感じさせる含みのある演技でこれもピッタリ。




気の毒なのはテレ東の「最上の命医」では名医役だったのに、こちらでは事なかれ主義で紺野の言動にいらつく指導医新見役の斎藤工。まぁ…それらしく演じてるんですがね。





あと、看護師長の相沢役の真飛聖という人、真矢みきみたいだなと思って調べたら、やっぱり宝塚の男役トップだった人でした。





なんか宝塚の人って、その匂いが抜けませんよね。





患者にでんでんや甲本雅裕らがいますから、彼らのエピソードの回が今後出てくるんでしょうね。





今までの医療ものとは一味違った作品になりそうで、期待して見られそうです。




今回の評価は…7