紺野(草なぎ剛)の存在感よりすず(ミムラ)や下田(八乙女光)の方が立っている回でしたね。
フジテレビ 火曜22時
「37歳で医者になった僕」第10話
主演…草なぎ剛
脚本…古家和尚
演出…三宅喜重
すずの言葉に2度ハッとさせられました。
1つは沢村(水川あさみ)と散歩に出た時に言う言葉。
「あなたには元気な姿を見せていたい。負けたくないから…」
そして以前、沢村の分までお弁当を作って渡していたのは、私の方が料理が上手いってことを誇示するためだった…私は意地悪で嫌な女でしょう?と明かします。
沢村も紺野へ好意を抱いていることに気づいていての嫉妬心。
しかし自分は元気なままではいられない悔しさ。
そんなすずの負の感情が噴き出した言葉でした。
もう1つは紺野がすずの転院をたてに佐伯に脅され、自分を曲げて我慢しているのを…
なんとなく感じ取ったすずは転院先を探して…と紺野に頼み…そして言います。
今を大切にしたい…
正しいと思える今を祐太さんと生きていきたい…
間違った今を選びたくない…
この言葉は紺野の心に深く刺さりましたね。
間違った今を生きようとしてしまっていた紺野は、間違いに気づくのです。
再三、沢村が指摘していた紺野の寝癖を、すずも久しぶりに声に出して指摘したのも不思議な感じでしたが…
喜びも束の間、すずの容態は悪化してしまいます。
ただの笑顔だけではない、複雑なすずの感情表現をミムラが今回も巧みに演じていて惹き付けられました。
一方、退職願を出し伊達さんの奥さんと裁判を起こし争おうと意気込んでいた下田は…
伊達の妻は佐伯(松平健)の手が回り、あっさり諦めてしまい…下田にも医者に戻るよう願います。そしてかつて佐伯が伊達に送ってきた手紙の束を佐伯に渡すよう託します。
おそらく癌が悪化した佐伯がこの手紙を読んで涙するシーンが今後あるんでしょうね。
研修医に復帰した下田に、相変わらず厳しく接しながらも、ニヤリと穏やかな笑みを浮かべた新見(斎藤工)が印象的でした。
おそらく新見も体験したであろう苦しみを下田が克服したことへの先輩としての祝福の笑みでしょうね。
今回の評価は…
佐伯が末期癌なのを知った森下(田辺誠一)。彼が病院内で偉くなって理想の病院へ改革しようという「踊る…」の室井タイプなのか…
それとも単なる権力志向の男なのか…今のところ判然としません。
前者のような気がしますけどね。