なんだろう…
そんなでもないなと思ってしまったのは…
思うに医療ドラマは過去に傑作が多くて目が肥えているからかもしれません。
TBS 日曜21時
「サマーレスキュー~天空の診療所」第1話
主演…向井理
脚本…秦建日子
演出…日比野朗
「Drコトー」は離島での医療でしたが、こちらは夏季だけ登山者のために開かれる山小屋に隣接した簡易診療所が舞台。
そこに1週間だけ視察がてら行って来いと翌日に手術を控えているのに向井理演じる速水は行かされるのです。
そこからしてムチャな話ですけどね…手術の方はいいの?教授(松重豊)のいやがらせ?とか勘ぐってしまいます。
イヤイヤ行くので、診療所に着いてからも無愛想な態度で…おまけに雑魚寝、風呂無し、白衣無し、医療設備の少なさと呆れることばかりなわけです。
高山の診療所のありようがリアルに描かれて、ここは興味深かったのですが…
めったに患者は来ないはずが、転落して骨折し出血したリストラ男性(相島一之)と肺水腫になった女性の2人が運び込まれ…
悪天候でヘリが来られず、ヘリがOKになっても日没近くになりどちらかしか運べない…という選択を迫られます。
このへんが山岳ならではの緊迫感なんですが…
肺水腫の女性を先に病院へ運んだのはいいんですが…その迎えのヘリに、輸血用の血液を持たせてあげれば良かったんじゃないの?
…と素人の私めでも分かるアラが見えてしまって…
みんなで一晩中、交代で患部を押さえて、手を握って…みたいのがシラケて見えてしまいました。
向井も尾野も小池も気の入った演技をしていただけに気の毒で…
あとで速水に「患者は医者に会いにくるんだ、医療機器に会いに来るんじゃない」と言う倉木(時任三郎)の言葉もイマイチ心に響きませんでした。
お前が血液送らなかったから大変だったんだろうが…って。
まぁ…どうしても医療ドラマを私めは好きなだけに、ちょっとうるさい注文かもしれませんが…
そのへんをちゃんとやって感動的な話にして欲しいと切に願います。
向井理という役者はテクニックに走らずストレートな演技をする人なので、脚本や演出がしっかりしてないと彼の良さを引き出せない気がするので、奮起を願うばかりです。
看護師として何かトラブルがあったらしい遥の屈折した感じが尾野真千子らしくて良かったのですが…
取っ付きにくい役をどう魅力的に演じるか、彼女の力量が問われますね。
今回の評価はあえて辛めで…