女優さんというのは自分を綺麗に見せたいとか良く見せたいとか思う人たちだと思うんですよ、基本的には。
なので、見ている人を不快にさせる演技をするということには抵抗があると思うのですが、
このドラマの田中裕子はそんなことお構いなしに、娘のために愚かしく浅ましくなる母親のぶざまさをとことん突き詰めて演じています。
その女優魂に敬服せざるをえません。
今回はその極みとも言うべき回でした。
日本テレビ 水曜22時
「Woman」第8話
主演…満島ひかり
脚本…坂元裕二
演出…相沢淳
小春(満島ひかり)や子どもたちのためにケーキを買って帰った紗千(田中裕子)。
しかし、その留守中に栞(二階堂ふみ
)は自分が信(小栗旬)を痴漢だと言い立て、それがきっかけで死に至らしめたことを小春に告げてしまっていました。
珍しく小春に親しげに話しかけケーキをすすめた紗千に、小春は栞から聞いたと告げ、あなたも知っていたんだろと責めます。
せっかく小春にも母親らしく接しようとした紗千は、栞の母親モードにスイッチが切り替わり、
ここからの浅ましいまでの小春への詫びっぷりは、栞をかばおうという一心で、小春が話にならないと呆れるのも分かるものでした。
よく現実にも凶悪犯の母親があの子はホントはいい子なんです…とかぱったりもしますが、
子どもは悪くない、恨むなら私を恨んで…とか言ってしまうんですね。
小春の気持ちになれば、何言ってんの?ってことなんですが、
満島ひかりと田中裕子の息詰まる演技バトルはただ見入るばかりでした。
そんな母親の心も知らず、小春を怒らせ居たたまれなくなった小春は、母親には告げずに家を出て行ってしまいます。
祭りから帰ってきてそれを知った紗千はうろたえます。
浅ましいまでのうろたえぶりで、
せっかく小春が自分の病気のことを話しても、なんで今そんなことを言うの?と余りにひどいリアクション。
小春にかつて見捨てられたように、また栞に捨てられてしまった虚脱感…
風呂場のシーンの2人のやりとりは、演技バトルの第2ラウンド。
「どうすればいいの?
あの子を殺せばいいの?
私も死ねばいいの?」
狂気さえ感じさせる田中裕子の演技に一歩も引かず、
満島ひかりはキッパリと
「どれでもありません、
私は望海と陸の母親です。
あの子たちが大人になるまで一緒に生きていたいだけの母親です」
母親対母親の向き合い方しかできない
2人。
ここにいるしかないから居させて欲しいと頼む小春の覚悟、悲しみをこえた強さを見事に演じていました。
冷静になってから紗千は、小春の病気の話を思い出し、病院へ聞きに行きました。
おそらく骨髄の適合者が栞という展開になっていくんでしょうが…
小春は栞を許せますかね…
生きるためには仕方ないんでしょうが…
今回の評価は…
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