このドラマの脚本家とプロデューサーは武井咲主演だった「お天気お姉さん」と同じ人です。
その時にそれなりに成功をおさめたので、
今度は同じ無愛想でその道に天才的に長けているのを
監察医にしてみた…という感じのドラマでした。
感情を表に出さない武井咲の演技は「お天気お姉さん」とほぼ同じでしたから…。
金田一耕助のように逆立ちして考える以外は…
テレビ朝日 木曜21時
「ゼロの真実～監察医・松本真央～」第１話
主演…武井咲
脚本…大石静
演出…常廣丈太
武井咲主演で失敗はさせたくない…という局と事務所の思惑を
ひしひしと感じるほど、ヒロインの周りはがっちりと固められています。
まず舞台となる関東中央監察医務院。
都内で死因不明の死体はみなここに運ばれてくるという場所なんですが、
そこのチームがまず個性的で…
監察医たちを束ねるのは部長監察医の泉澤（生瀬勝久）
このところシリアスでコミカル要素のない役が続いた生瀬が、
東大から出向で来ていてエリート意識は高いが、
女性監察医やマイペースの女性事務員に振り回され、
男性監察医同士で愚痴を言い合うというダメ上司ぶりを楽しそうに演じています。
ダメなだけでなく、落ち度のあった岩松（六角精児）をジロッと見て
震え上がらせるエリートの冷徹さもちらつかせるあたりが上手いもので…
やはりこの人にはこういうちょっとおかしみのある役をやって欲しい私めとしては、
変にカッコつけている「東京スカーレット」の刑事役より断然いいです。
真矢みきの相変わらずのわかりやすく「!?」って顔する演技には閉口ですが、
六角、尾美としのり、青柳翔トリオの小物ぶりも微笑ましいし、
水道局員から転身したばかりの補佐を演じるでんでんも味わい深い演技を見せてくれています。
そして、ちょくちょく監察医務院に顔を出し、事件性がある死体にはくらいつく
やさぐれ刑事に佐々木蔵之介。
この人がこの手の関西弁ばりばりの役をやると、役作り感が強すぎるんですが、
今回はまわりも個性的なので辛うじて浮いてはいません。
どうやらヒロイン真央の死の真相を探るの最終回までの縦軸のようで
その鍵をにぎる獄中の死刑囚に橋爪功。
いやはや贅沢な布陣です。
武井咲がどうこうでなく見続けたいと思います。
今回の評価は…