なんて不憫なヒロインか…「Nのために」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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ここまで可愛そうなヒロインというのも、

なかなか最近はいないなってぐらい不憫な境遇におちてしまう様子を描いた初回でした。





これが後々の彼女に関係してくるのでしょうから、

そこをじっくり丁寧に描いたのは正解だったと思います。







TBS 金曜22時

「Nのために」 第1話


主演…榮倉奈々

脚本…奥寺佐渡子

演出…塚原あゆ子





このドラマには3つの時制があって、ヒロイン希美(榮倉奈々)の故郷での日々を描く「15年前」と

希美も現場に居合わせた殺人事件が起きた「10年前」、そしてその犯人となり出所してきた

西崎(小出恵介)と事件の真相を追い続ける高野(三浦友和)が会う「現在」とに分かれています。





その中で、初回は15年前の高校生の希美に突如襲い掛かった苦難が描かれました。





瀬戸内の小島で社長一家の娘として裕福な暮らしをしていた希美でしたが、

ある日、父親(光石研)が今日から愛人(柴本幸)とこの家で暮らすから、

お前らは出て行けと理不尽なことを言われ、





母親(山本未来)と弟(葉山奨之)と共に、ボロボロの廃屋へと追いやられてしまうのです。





このクレージーともいえる行動に出る父親を光石研が本領発揮の凄みのある迫力で演じていて、

このドラマは急速に引き込まれるものとなりました。





養子で我慢してきたらしいこの父親は、いきなり我慢することをやめ

自分勝手に生きることにしたらしいのです。





月々10万しか生活費をもらえなくなった3人。

しかし、贅沢が身にしみこんでいる母親は、現実を受け入れられず、

化粧品を買い込んでしまったり、宝石商を呼び寄せて買おうとしたり…と

精神が病んだ行動をとるようになってしまいます。






山本未来のこの母親の壊れっぷりが、またやけにリアルで、

希美を追い込んでいくのに拍車をかけていきます。






更にもう1人、なかなかイイのが柴本幸の愛人の憎々しさ…

お金を貸して欲しいと土下座する希美に毒を吐くさまは、

凄みがあって、これまた容赦のなさがドラマを盛り上げました。





この3人の好演あればこそ、榮倉奈々のけなげさ、不憫さ、

そして苦境に負けまいとする逞しさが引き立ったように思います。





しかし、童顔のせいもありますが、今年26歳なのに

ナチュラルに高校生に見えるのはスゴイなと感心してしまいました。





同じく26歳なのに高校生に見える幼なじみ成瀬役の窪田正孝の

瑞々しい演技も、榮倉奈々を大いに引き立てる働きを見せました。





こちらは演技力のなせるわざで、この人やはり只者ではありません。





このあと15年前に何が起こるのか?

10年前の殺人事件に2人はどうからんでいるのか?

そして現在2人はどうなっているのか?





興味のふくらむ初回でした。

うまい見せ方だと思います。





三浦友和の15年前と現在の演じわけも何気に巧みで、それも感心しました。





このドラマ、期待を越えるものになるかもしれません。おすすめです。






今回の評価は…4