最近つくづく連ドラを見て思うのは、今さらながらに脚本がいかに大事かということです。
せっかく演技力のあるキャストを集めても、役者を生かすも殺すも脚本次第。いい脚本なら役者もうまく見えるし、
ダメな脚本だと役者もヘタに見えてしまうのです。
大体、「相棒」のような1話完結の刑事ドラマならまだしも、連続ドラマである以上、1人の脚本家が最初から最後まで書くべきというのが私めの考えです。
最近は何人かが交代で書くことが増えてきました。嘆かわしいことだと思ってます。
そんな中、今クールは1人で最後まで書く脚本家の作品が多く見られました。
それぞれこれまでに実績のあるヒットメーカーたちです。
列挙すると…
「デート」…古沢良太(代表作…「リーガルハイ」「鈴木先生」)
「ゴーストライター」…橋部敦子(「僕の生きる道」「僕のいた時間」)
「銭の戦争」…後藤法子(「ブラックジャックによろしく」「チームバチスタ」シリーズ)
「まっしろ」…井上由美子(「白い巨塔」「昼顔」)
「○○妻」…遊川和彦(「女王の教室」「家政婦のミタ」)
「DOCTORS 3」…福田靖(「ガリレオ」「海猿」「HERO」)
「美しき罠」…浅野妙子(「大奥」「ラスト・フレンズ」)
「問題のあるレストラン」…坂元裕二(「Mother」「最高の離婚」)
「ウロボロス」…古家和尚(「LIAR GAME」「任侠ヘルパー」)
「セカンド・ラブ」…大石静(「ふたりっ子」「セカンドバージン」)
「学校のカイダン」…吉田智子(「美女か野獣」「全開ガール」)
どうですか?これだけ並ぶと壮観ですよね。
第一線でドラマ界を牽引してきた人たちなわけです。
しかし、これだけ揃っても秀作ぞろいだったかというと、そうではないところが難しいところで…
ダメだった作品をあげていくと…
最大の失敗作が…
「まっしろ」井上由美子
セレブ御用達病院のナースたちの「白い大奥」というコンセプトは面白いなと思ったのですが…
そのコンセプトにそぐうキャスティングがなされず、脚本家もトーンダウンしたのでは?と推測されるほど、はっきり言ってつまらない作品でした。
せっかく「昼顔」で復活したかに思えた井上由美子、さすがに香取慎吾主演の「幸せになろうよ」を第1話で降板したみたいにするわけにもいかず、低視聴率で名を汚す
作品を生んでしまいました。
似たようなケースが、大石静の「セカンド・ラブ」
NHKで成功し話題になった「セカンドバージン」を意識したタイトルからも分かるように「夜メロ」と呼ぶような濃密な恋愛ドラマにするはずだったのが、
ジャニーズの亀梨和也とホリプロの深田恭子という何かとうるさい事務所の2人を起用したために、さほど過激にするわけにもいかず、
生ぬるい恋愛ドラマになってしまいました。脚本家が乗って書いているかどうかが作品からもうかがえる気がします。
大石静は自分の意向が反映されるNHKで「ふたりっ子」で内野聖陽、「オードリー」で佐々木蔵之介、「セカンドバージン」で長谷川博己らを起用した人だけに、
キャスティングありきの民放のドラマでは力が発揮できない部分はあるでしょうね。
もう1人、視聴率的には成功しましたが、作品の内容は決して良くなかったのが、遊川和彦の「○○妻」。
これに関しては記事で何度も書いてますから、詳しくは書きません。
撮影現場に現れて注文を出すほどの熱意やこだわりは分かりますが、
自らの主張をドラマの人物に語らせる押しつけがましさ、あざとく盛り上げて肩すかしする狡さ、それが鼻をついて私めは評価できませんでした。
続いて次の記事では、良かった脚本家4人について書きます。
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