宇佐美のはなむけ…「天皇の料理番」第6話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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3つのカレーライスで篤蔵(佐藤健)がパリへ修業に行けることになるまでの3年間にわたる成長を見せる見事に凝縮された脚本でした。





いかに篤蔵が周りの人々によって支えられ、育てられているかが丁寧に描かれ、このドラマの中でも今のところ白眉ともいえる回でした。






TBS  日曜20時
「天皇の料理番」第6話

主演…佐藤健
脚本…森下佳子
演出…平川雄一朗




まず最初のカレーは簡単にパリへ行きたいなどとうそぶく篤蔵にを新太郎(桐谷健太)と茅野(芦名星)が叱咤し…





心を入れかえて作ったフランスカレー。当初は評判になり、店に行列ができるも、やがてやはり具のあるカレーがいいと客足が遠のき、





やる気の失せた篤蔵はこれまでバンザイ軒の主人(佐藤蛾次郎)が作っていたカレーを真似て、どうせ味の分からない客にはこんなもんでいいだろう…というカレーを出すようになる。






そこへ宇佐美(小林薫)が食べに来て、そのカレーに失望…、一口食べて店を出た宇佐美を追いかけ言い訳をする篤蔵に宇佐美は…





「あのカレーは腐っていた!それは作ったお前の性根が腐っているからだ!」





この言葉に篤蔵は目をさまし、改めてやる気を出して修業に励みます。






そんな篤蔵のもとに母のふき(美保純)がやって来て、篤蔵に周太郎(鈴木亮平)からの手紙と、周太郎が自分の相続分の土地を売って工面した金の入った通帳を渡します。




この周太郎の手紙でまず涙腺をやられました。





自分がこんな死病になってしまった不条理への怒り、無念さをつづりながら…





せめてお前が帝国一のシェフになる手助けをさせてもらいたい…と続き、




〆が…
その金は、俺の生々しい欲望だ。辛うじてまだ生きているその証だ。
篤蔵、パリへ行け。俺の命を抱いて飛んでくれ。





いや~~、綺麗ごとでない周太郎の魂からの言葉に胸を打たれました。






そして、篤蔵はすぐにはパリへ行かず、精養軒で3年間修業。その末にいよいよパリへということに。その壮行会。





宇佐美がまた来店し、カレーを注文します。
今度は完食した宇佐美。普通のカレーが飛びきり旨い!と褒めたあとに…





代金のかわりにと自らが使用してきた牛刀を篤蔵に渡します。そして、





「そいつにもパリを見せてやってくれ。一緒に日本人の真心を見せつけてこい…」




この言葉にやられました。
緩んでいた涙腺が崩壊…





小林薫のセリフの重みは、何ともスゴいものでした。





ここに至るまでの佐藤健のまっすぐな演技も、今回はまわりの好演に支えられ、更に充実度を増しました。





私めは飄々とした佐藤蛾次郎の演技も非常に好きです。





平川雄一朗演出ならではの音楽の盛り上げの巧みさに乗せられ、





篤蔵からのフランス語の手紙を周太郎が空にかざすラストまで気持ち良く泣かせてもらいました。





ちょっと甘いかもしれませんが、今回の評価は…5