そもそも人間の中身が入れ替わるなんてこと、現実では起こりえないわけで、
そんな荒唐無稽な設定を、そんなのありえないと視聴者にシラケて見させないために、作り手には工夫が必要なわけです。
まして原作ものは小説なら楽しめても、映像化したらつまらなくなった…ってことにもなりかねません。
その点、この作品は原作も勿論面白いのですが、ドラマとしてもビジュアル面で面白く見せようという工夫がされていて、
脚本はテンポよく、演出には遊び心があり、キャストもみなノリノリの名演技で…
今回もダレ場はなく、こってりと非現実的な話を楽しみながら見ることができました。
テレビ朝日 金曜23時15分
「民王」第2話
主演…菅田将暉、遠藤憲一
脚本…西荻弓絵
演出…木村ひさし
前回、国会の答弁で漢字にルビが無かったために未曾有を「みぞうゆう」と読んだり、直面を「じかめん」と読んだり、
漢字を読めないことを世間にさらしてしまい、武藤ならぬ「無能」総理と揶揄されることになってしまう泰山=翔(遠藤憲一)。
恥をかいた翔=泰山(菅田将暉)はひどくご立腹。総理のふりをする自信を失った泰山=翔は部屋に立て込もってしまいます。
菅田将暉のキレっぶりと遠藤憲一のウジウジ、メソメソぶりの対比。
いつでも武藤親子に好意的な狩屋官房長官(金田明夫)と、翔のダメさにキレ気味で皮肉も言う貝原秘書(高橋一生)の対比。
今回も遠藤憲一のらしくない細かい動きには笑いましたし、なんと言っても高橋一生のちょっとしたところで見せるコメディセンスの高さには感心させられました。
泰山=翔が泣きわめいて部屋に立て込もるまでを冷静に実況して伝えるところとか絶妙でした。
この人はホント、シリアスからコメディまで幅広くこなすオールラウンダーですね。
もっと評価されてしかるべき人だと思います。
…で、立て込もってしまった泰山=翔にやる気を出させるために、馬を走らすニンジンが必要と、
来日したVIPとの外交用の通訳として翔が好きな真衣(本仮屋ユイカ)に依頼。
何とか泰山=翔もやる気になり、大統領を接待します。
しかし、会うなりHow are you?をWho are
you?と言ってしまったり、
その国では「恥を知れ!」という意味のポーズをして怒らせたり、
外交決裂のピンチになるような失敗続き…。
心配のあまりそばについている翔=泰山もヤキモキする中、まさかの翔が好きなアニメキャラのモフモフンが描かれたハンカチをきっかけに外交がうまくいってしまう…というまさかの展開になるのでした。
ピンチ、ピンチの連続の末の逆転。
ありえないのに見てしまう流れの良さはコメディのお手本とも言えるでしょう。
次回も大いに楽しみです!
今回の評価は…