遠藤憲一と草刈正雄が抱きあって頬ずりしている姿を…。
そんなありえないこと(…というより見たくない光景)をシレっと見せて笑いを取る…それでいてただのおふざけではなく、締めるところは締める…
このドラマは今年で言うと「デート」と並ぶ上質なコメディです。
テレビ朝日 金曜23時15分
「民王」第4話
主演…遠藤憲一、菅田将暉
脚本…西荻弓絵
演出…本橋圭太
脚本の西荻弓絵は最近では「ケイゾク」や「SPEC」を書いた脚本家として知られていますが、
かつては私めも大好きな「ダブルキッチン」や「スイートホーム」といったホームコメディの秀作を書いた人です。
なので、ベテランらしい熟達した筆運びで今回の作品も書いていて、まさに惚れ惚れする面白さです。
まず筋運びの上手さ。今回も盟友狩屋(金田明夫)の下ネタスキャンダルにどう泰山＝翔(遠藤憲一)が対処するか？と、
真衣(本仮屋ユイカ)に頼まれ、若社長から不当解雇されそうなシングルマザーを翔＝泰山(菅田将暉)がいかに救うか？の二本柱を、非常にバランスよく両立させ、
しかも、そのエピソードの中でそれそれの変化や成長もしっかりと見せている…
実に上手いものだなと感心します。
こういうことが最近の脚本ではなかなかうまくいっていないことが多くてイライラするのです。
また、連ドラの一つの面白みであるキャラクターをより魅力的な人物に増幅していく作業。
主演の二人もさることながら、貝原(高橋一生)の毒舌とラブリーな素顔のふくらませ方は絶妙です。
今回の「変態じゃないか！」も笑ったし、寝ている時のナイトキャップのボンボンも最高でした。
演出も演者もノリノリなのがよくわかります。
今回はついに娘と入れ替わった蔵本(草刈正雄)にもそれが及び、冒頭に書いた頬ずりシーンや、
記者会見でチラチラ見せる乙女チック演技を真顔で草刈正雄が演じるおかしさといったら…
とにかく、素直に楽しめてストレスを感じさせない作品です。
今回の評価は…
