医療ドラマと刑事ドラマの合体というまるで民放で放送しそうなNHKらしからぬテーマでのこのドラマ。
制作が日本テレビの子会社のAX-ONでプロデューサーは「MOTHER」や「明日ママがいない」の演出をしていた長沼誠。
チーフ演出はフジテレビでは「救命病棟24時」や「ナースのお仕事」日本テレビに移籍してからは「斉藤さん」や「女王の教室」を演出した岩本仁志。
…という民放の歴戦の強者なので納得なわけです。
同じ秋ドラマの「コウノドリ」と同じ産婦人科が舞台で、「無痛」と同じ医療サスペンス、ネタかぶりはしてますが、十分ユニークな作品になってます。
NHK 火曜22時
「デザイナー・ベイビー~速水刑事、産休前の難事件~」第1話
主演…黒木メイサ
脚本…早船歌江子
演出…岩本仁志
今はまだ民放の連ドラが始まってないので良いですが、いずれはTBSとフジテレビが同じ枠でスタートするので、視聴率の取り合いになり、もったいないと思わずには
いられない…それだけ良質な作品です。
このドラマのユニークなところはヒロインの速水(黒木メイサ)が産休間近な妊婦の刑事であるってこと。
産婦人科で起きた新生児誘拐事件に助っ人として駆り出され、女性目線、母親目線で交渉や捜査にあたるという話。
しかも、この事件ややこしいのは、事件が起きた産婦人科では遺伝子操作をしたデザイナーベイビーを産み出しているらしく、
拐われたのはその成功例だった学者(池内万作)と元五輪選手(安達祐実)の間にできた子供。拐ったのは死産してしまった母親(安藤玉恵)だということ。
デザイナーベイビーに積極的な院長(柴俊夫)や崎山教授(渡辺いっけい)と、否定的な須佐見教授(渡部篤郎)との思惑もそこにからんできて、話はそう単純ではないんです。
クセの強い脇役陣が揃っていて、いかがわしさやミステリアスさがプンプンしているので、初回から引き込まれました。今後の展開が予測不能です。
(ただ全8話らしいので、話を引っ張りすぎて内容が薄まらないか、それが心配ではありますが…)
脇役では速水に受精卵について熱く語る胚培養士役の斉藤由貴もユニークな役どころで、どうからんでくるのか楽しみです。
さらに、病気らしい長男も抱え、精神が不安定ぎみな拐われた母親役の安達祐実も、何をしでかすか分からない怪しさがあり魅力的。
あと、気になるのは速水の相棒になる土橋刑事役の渡辺大知。ミュージシャンでもある彼はちょっと独特な雰囲気がありユニークな存在です。
あともう一人、ギラギラと存在感を示しているのが速水の先輩刑事役の手塚とおる。
あのギョロ眼と文句ありげな歪めた口。
やはりスゴいですね、この人の存在感は…。
黒木メイサ、頑張らないと埋もれてしまいます。
今回の評価は…