何も２時間やらなくても良かった気がしますね。菜々緒演じる橘カラが板尾創路演じる連続殺人鬼のドライバーを殺すまでで十分でした。
その後もまだ１エピソードあって、２話分をいっぺんに見せられたみたいな印象で、お腹いっぱいでした。
まさに菜々緒の悪女カラ劇場でした。
フジテレビ 火曜21時
「サイレーン～刑事×彼女×完全悪女～」 第1話
主演…松坂桃李
脚本…佐藤嗣麻子
演出…本橋圭太
どうも菜々緒の凄さばかりが強烈な印象で、せっかくＧＰ帯初主演の松坂桃李はかすんでしまった感はありましたね。
問題は２点あって、１つは同僚の猪熊（木村文乃）と職場には内緒で付き合っている…というシチュエーションがドラマにさほど緊張感を与えていないこと。
二人は割りとほのぼのと付き合っていてキャラクター的にも普通なため、その恋愛要素にはこれといって興味を持てないんです。
もう１つは、２人が所属するのが事件が起きた時にいち早く現場に駆けつける機動捜査隊で、その後の捜査にあまり関与できないってこと。
これはかなり辛いところで、次々に事件は起きるんですが、主役の立ち位置が中途半端なため、どう見たらいいのかが微妙なんですよね。
捜査にちょっと口出しすれば苦虫かみつぶした顔の船越英一郎演じる刑事課長の怒鳴られるだけだし…。
しかし、船越のあの濃い演技は浮いてませんか？今どきあんな人いないと思いますけどね。まだいるのかな…。
猪熊に酒飲みって以外にももっと魅力的なキャラクターをつけたいところですよね。
今だと、カラの異常さを引き立てるだけの普通キャラでしかないように見えてしまいますから。
しかし、菜々緒のタクシー運転手をいたぶったあげくに殺すくだりは凄みがありましたね。殺人ロボット的なクールな美貌がなんとも怖かったです。
「ファースト・クラス」の第１シリーズの時もそうでしたが、小器用に演技をしようとしないストレートさがこの人の武器で、それが今回のような何を考えているか分からない理不尽な悪女役にはぴったりなんですよね。
今後も菜々緒のこの悪女っぷりを見るためのドラマになりそうです。
今回の評価は…