珠玉の短編小説のよう…「おかしの家」第2話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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前回はこのドラマのことを映画の一部分を見ているようだと書きましたが、






今回はまるで人生の深いところを少ないページ数の中でもしっかりと描き出す、珠玉の短編小説のようだな…と思いました。





大人の読者の方にはぜひ見ていただきたい作品です。






TBS  水曜23時55分
「おかしの家」第2話

主演…オダギリジョー
脚本、演出…石井裕也





三枝(勝地涼)が車にひかれ、その相手が幼馴染みで今は年収1億のIT社長になっている武田(藤原竜也)だったことから、





太郎(オダギリジョー)の駄菓子屋に武田がやってくることに。





太郎はきっと武田は年がら年中、駄菓子屋の裏庭でぼ~っとして時間を過ごしている自分たちのことをバカにするに違いないと敵意をむき出しにします。





ITなどとおよそ無縁な太郎たちが「IT」って言葉を変な使い方してやりとりしているのが微笑ましく笑えました。





そんなところに武田がやってきます。
予想に反して武田は無為な時間を過ごしている太郎たちを誉めそやし羨ましがります。





イヤなヤツになっていると決めつけていた太郎が武田にハグされ、いい匂いがすると言ってトロ~んとしてしまうのがツボでした。





それ以来、高級クラブに呼び出され愚痴を聞いてあげたり、武田が経営する銀座のレストランで無料で食べさせてもらったり…と親密になる太郎。






そんな場違いな所へ行っても、世の中こんなに美人がいるんだなと感心したり、
武田の駄菓子屋への援助を断ったり、
せっかくご馳走なのにみんなでカレーを食べたり…





太郎らしさを貫いているさまが、太郎への視聴者への親近感を深めました。






オダギリジョーの脱力演技が光っていました。
勝地涼や嶋田久作、前野朋哉らも良く、特に前野のほんわかした風貌には癒されます。






結局、武田は巨額の脱税で逮捕されメディアで悪者に…。






駄菓子屋に来て武田の言っていた言葉の1つ1つが、より重い言葉となり反芻されました。






金儲けに走り大事なものを失った男の孤独感を藤原竜也が巧みに演じていたと思います。





ほろ苦い余韻を残す秀逸な回でした。
エンドに流れる忌野清志郎の歌声が心にしみます。






今回の評価は…4