誕生日が母の命日の子供…「コウノドリ」最終回 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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残念な最終回を見させられてばかりの中、このドラマは最終回もこのドラマらしさをしっかりと見せてくれて、






シビアな現実をきちんと踏まえつつ、それでも希望をこめた前向きさを感じさせてくれる充実した最終回でした。





TBS 金曜22時
「コウノドリ」最終回

主演…綾野剛
脚本…山本むつみ
演出…土井裕泰




最終回なのでこれまでチラチラと出てきていた人々が登場し、それぞれ変化がありました。





まずは、第2話のメインエピソードで登場し、その後チラチラと出てきていた永井(小栗旬)。





事故に遭い瀕死の中、母体より胎児をという選択で産まれた娘。
男手1つで仕事と育児を両立させる難しさに立ち向かってきた永井は、営業の仕事から定時に帰れる部署に 異動になったことをサクラ(綾野剛)に告げ…






いつか、この子に母親の命と引き換えに自分が産まれたことを告げなければならない日が来ることを、苦にしていると悩みを打ち明けます。






そんな永井にサクラは自分も病身の母親が自分の命と引き換えに産んでくれた子どもだと告げ、永井の心のしこりを取ろうとします。






そして、永井の娘の誕生日にBABYのライブに永井親子を招待し、サプライズでバースデーソングを弾きます。






このシーンは同じ境遇で産まれてきたサクラがここまで強く生きてきたように、永井の娘にもそうなって欲しいというサクラの無言のメッセージが伝わり、心打たれるシーンとなりました。






更に、サクラと永井親子はリンクしていて、サクラが自分が産まれたことで愛する人を失った父親はどう思っているだろうという悩みを打ち明けたら…





逆にその立場の永井が産まれてくれて良かったと思っているに違いない…とサクラの心のしこりをほぐしてくれるのでした。






こんなさりげない会話の中で、涙をほろりと流すところにハッとさせられました。

綾野剛も小栗旬もどちらも自然体で、深いニュアンスの演技をしていて見ごたえがありました。







その他にも今回は、染色体異常でこの先どこまで生きられるか分からない子どもに会おうとしなかった夫婦(戸田昌宏、奥貫薫)が四宮(星野源)に背中を押されて、会えるようになり、自宅に引き取ったり…






不妊治療でようやく妊娠したものの、マタハラを恐れて職場で報告できずにいた雑誌記者(西田尚美)が、

勇気を出して上司に報告ができたり…







この先、大変なことは待ち構えているかもしれないけど、前向きになっていく姿が描かれ、このドラマらしいまとめ方でした。






最終回最大の見どころは心肺停止になった妊婦(木南晴夏)を死戦期帝王切開という方法で救うというシーンで、






産科医、新生児科医、麻酔医、救命救急医、研修医、助産師が一丸となって難局を切り抜けるさまは、このドラマのこれまでの群像劇としての結実を見る思いで、スリリングかつ感動的でした。






このドラマ、これまで何度も書いてきたように、実際の現場を緻密に再現し、そのリサーチ力や再現力、今回なども染色体異常の赤ちゃんをちゃんとそれらしき実際の赤ちゃんを撮影に使うなど、スタッフの裏の努力に何度も頭が下がりました。






そういった裏方の努力に乗って、キャスト陣もレギュラー、ゲストいずれも毎回熱のこもった演技で、見ごたえのあるものにしていました。






どうかスペシャルでもいいのでまた見たいです。






今回の評価は…4