このドラマは、いろいろ分からないことが多くて、そのもどかしさで見ていてストレスがたまりがちだったのですが、だんだんと主人公たちが置かれている状況が分かり出して、理解が深まるにつれ見ごたえが増してきました。
今回はいずれは「提供者」になることを決められている同じ境遇の男女が共同生活を送るコテージに、恭子（綾瀬はるか）と美和（水川あさみ）と友彦（三浦春馬）が入ることになり、そこで…という展開。
異常とも言える環境の中で、お互いの気持ちがすれ違ってしまう恭子と友彦の純愛が浮かび上がり、切なさがグッと高まりました。
ＴＢＳ 金曜22時
「わたしを離さないで」 第4話
主演…綾瀬はるか
脚本…森下佳子
演出…吉田健
コテージでの生活は提供者となる彼らにとっては猶予の期間。好きなことができるのは今のうちということなわけです。
あとは資格を取って「介護人」になるか、「提供者」になるか…、介護人になったところでいつかは提供者になるので、遅かれ早かれではあるのです。
どうも、他のコテージの住人の話では、陽光学苑の出身者は優遇されているようで、なぜそうなっているのかはおいおい分かるようです。
…で、今のうちにやることと言ったら、若い男女だけの生活なら当然性欲に走ってしまう者も出てくるわけで…
恭子はそんな住人たちにも、恭子に見せ付けるように友彦と恋人気分でベタベタする美和にも心を閉じて距離を置き、一人つまらなそうに浮いた存在となるのです。
美和のイヤ～な感じを水川あさみがホント憎らしく好演していて、彼女によって引き裂かれていく恭子と友彦の姿が痛ましく見える、見事なヒールぶりでした。
美和と関係を持ってしまった友彦と、恭子のすれ違っていくやりとりのくだりは、綾瀬はるかも三浦春馬も気の入った演技で、水川も含め彼らの実力が発揮できる見せ場が増えてきて、どんどんこのドラマは見ごたえが増してきました。
一人なんてイヤだと…やさしく接してくれる浩介（井上芳雄）と関係を持ってしまう恭子。
より複雑でいびつな関係がからみあっていくようです。
今回の評価は…