大河ドラマの戦国もので主人公が男性の作品はあまり色恋を前面には立てません。
脚本の三谷幸喜は、果敢にそこにも踏み込んでいて、今回は茶々(竹内結子)をめぐる信繁(堺雅人)、秀吉(小日向文世)の微妙な三角関係が描かれました。
NHK 日曜20時
「真田丸」第20話
主演…堺雅人
脚本…三谷幸喜
演出…田中大児
これまで描かれてきた秀吉とは一味違う秀吉像をこのドラマは描いてますが、
茶々、のちの淀君も今までと違う個性的な女性として描かれています。
とかく、信長の姪であるプライドから秀吉をも見下すような高慢な女性であったり、
父や母や兄を殺したり、殺すのに加担した秀吉を恨みに思っていたり、
いざ秀吉の側室ともなればその寵愛を受けて好き放題のわがままを発揮したり、
秀吉の死後は息子秀頼を溺愛する母親となり、家臣の言うことも聞かず、豊臣家を滅亡へ導いてしまう…
みたいなのがよくある淀君のイメージ。
今回面白いのは「恋路」というタイトル通りに茶々は秀吉の側近の信繁を実は好きだったのでは…という解釈で作られているところ。
恋愛体質の淀君はこれまでにもイケメン側近にちょっかいを出し、秀吉に嫉妬され、その側近は抹殺されるという困った女性として描かれ、
信繁もその対象になってしまう…
竹内結子は茶々のお嬢さまとしての天真爛漫さ、その陰で家族を失ってきたがゆえの屈折した部分を竹内結子らしく演じていて、
小日向文世ならではの秀吉になっているように、竹内結子ならではの淀君になっています。
三谷幸喜のあて書きが見事にはまってますね。
秀吉の嫉妬を受けた信繁を救うためにも、茶々は秀吉の申し出を受け入れ、側室となるのでした。
恋は成就しませんでしたが、信繁は最期は大阪夏の陣で秀頼、淀君親子のために戦い死んで行きますし、
その戦死の翌日には城をまくらに淀君も自害するのです。そんな運命的なものを感じさせる今回のエピソードでした。
さて、徳川方のスパイとして本多忠勝(藤岡弘)の娘稲(吉田羊)が強引に信幸(大泉洋)の妻として送り込まれることになりました。
真田家内に波風が立ちそうです。
大泉洋と吉田羊の組合せ、面白くなりそうですね。
今回の評価は…