このドラマ、最後の3回はトットちゃん(満島ひかり)と特別ゆかりの深かった人物を毎回1人にしぼり、その人とトットちゃんの交友の歴史を描いていくというやり方で、
前回は脚本家の向田邦子(ミムラ)、今回は渥美清(中村獅童)、次回最終回が森繁久彌(吉田鋼太郎)。
今回は寅さんで国民的スターになった渥美清でしたが…
NHK 土曜20時15分
「トットてれび」第6話
主演…満島ひかり
脚本…中園ミホ
演出…井上剛
渥美清と同じように目は細い中村獅童ですが、あの独特の四角い顔ではないので、
前回のミムラの向田邦子ほど、似てるな~とは思えず見ていたのですが、
どんどん引き込まれていって、そんなことが気にならなくなっていきましたね。
渥美はトットちゃんを「お嬢さん」と呼び、トットちゃんは「お兄ちゃん」と呼ぶ。
これは渥美が亡くなるまで変わらなかったのですが、
寅さんという役を演じ続けるために、渥美清という人は、いろんなことを抑えて生きた人だったんですね。
そんな渥美清にとって、いつまでも若い頃のままで変わらずにいてくれるし、自分とも変わらずに接してくれる黒柳徹子という人は、
とても得難い無二の親友だったんでしょうね。
既に病に侵されてる渥美にしつこく浮気を疑う黒柳に、「お嬢さんは相変わらずバカですね~」と笑いながら言うセリフは、
とても胸に突き刺さるセリフでした。
このあたりは獅童もなりきっていて、演技に深みがありました。
昔もらった「星の王子さま」をいつまでも大切に持ち読んでいたというのも、心にしみるエピソードでしたね。
こんな大切な存在を失ってしまった黒柳徹子という人の哀しみも、じんわりと伝わる回でした。
次回の森繁久彌編も楽しみです。
今回の評価は…