このドラマをリタイアしてしまった方はもう1度、ご覧になってはいかがでしょう。
以前より見やすくなってきたし、今回などはウルっとくるイイ話でしたから。
今回のこのドラマを見終えたら、無性にオニオングラタンスープが作りたくなりました。
そんな気持ちにさせてくれる回だったんです。
フジテレビ 木曜22時
「Chef~三ツ星の給食~」 第6話
主演…天海祐希
脚本…浜田秀哉
演出…田中亮
鴨のコンフィが999円で食べられると光子(天海祐希)の屋台はたちまち評判に。
ご機嫌の光子はノリノリで給食作りにも前向き。
今回は昔から作ってきた自信作のグラタンオニオンスープで生徒を喜ばせます。
しかし、晴子(川口春奈)はこれは自分の父親が私のために作ってくれたレシピだ!
自分のものみたいにして出すのはやめて!と光子に食ってかかります。
晴子は名前を偽って光子に近づいた、離婚した夫との間の娘ひかりだったんです。
ショックを受ける光子。そんな光子から結果的に娘より料理を取ることになってしまった経緯を荒木(遠藤憲一)が聞き出します。
そして、娘を手放してまで進んだ道だから、半端でない気持ちで料理を作っているんだという光子の覚悟を、荒木は店をやめたいと言う晴子に伝えます。
遠藤憲一は「ドクターX」でも今週は遠藤らしい演技を見せてくれましたが、こちらでもいかにも人情に厚い男らしさを、遠藤らしく演じてくれて、母と娘をつなぐいい働きを見せていました。
もう一人キーになったのが、光子の部下で今では光子のいない今、料理長になっている奥寺(豊原功補)。
この日は誕生日で、奥寺のレストランに友人たちと来た晴子。裏メニューであると聞いたオニオングラタンスープを頼むと今はシェフがいないからやっていないと言います。
なぜ、やっていないのかと晴子が聞くと、以前いたシェフがこの日にだけ大事な人を思って作っていたからだ…と教えてくれます。
このくだりの豊原のさりげない演技も良かったですね。今でも光子を慕い敬っている感じがよく分かりました。
そして、今回のクライマックスである光子の屋台での晴子と二人のシーンに。
ここはウルッと来ましたね。
このドラマではとかくテンションが高く、どちらかと言えばガサツな感じの演技が多い天海祐希が、このシーンでは娘を思いやる母親の複雑な心情を非常に繊細に演じてグッとくるものがありました。
「偽装の夫婦」などでも見せていましたが、これができるところに天海祐希の天海祐希たる凄みがあるんですね。抑えた演技の時に実はその真価を発揮する女優さんなんです。
対する川口春奈も以前よりだいぶ演技に成長が見られます。場数を踏んできたからですかね。
晴子の心の変化をしっかりと演じて、決して足を引っ張ってはいませんでした。
ちょっといつもとは違うパターンの回ではありましたが、これはこれで良かったと思います。
今回の評価は…