最後まで三谷幸喜らしさを貫いた大河ドラマでしたね。
大河ドラマの記事を初回から最終回まで欠かさず書いたのは、この作品が初めてです。
我ながらよく50回まで書き続けたなと感慨深いものがあります。
NHK 日曜20時
「真田丸」最終回
主演…堺雅人
脚本…三谷幸喜
演出…木村隆文
これは全編通しての三谷幸喜のこだわりだったのでは、と今にして思うのですが、三谷幸喜は主要な登場人物たちの死そのものを直接的に描いてないんですよね。
ここまでに幸村(堺雅人)と関わった人々の多くが先に死んでいきましたが、
死ぬところを直接描いて印象に強く残っているのは秀吉(小日向文世)の孤独な死や後藤又兵衛(哀川翔)の討死ぐらいで…
父の昌幸(草刈正雄)や母(高畑淳子)、祖母(草笛光子)ら家族も、
勝頼(平岳大)や氏政(高嶋政伸)、三成(山本耕史)、吉継(片岡愛之助)、秀次(新納慎也)清正(新井浩文)といった印象に残る武将たちも、
死ぬところは見せていなかったように記憶してます。
(間違ってたらご指摘お願いします!)
…で、最終回。
なんと幸村の死も直接的には描かずに終わりました。
これは三谷幸喜のその人物への愛情のあらわれでしょうか。
茶々(竹内結子)や秀頼(中川大志)もまたしかりです。
余韻の残る見せ方でした。
この描きすぎずに、視聴者の想像力をかきたてるという抑制のきかせ方に、三谷幸喜の脚本家としての円熟を感じました。
どう終わらせるのかと思ったら、信之(大泉洋)が真田家を守ってこれからも生きていく…って感じで終わり、
その真田家の松代藩から徳川幕府崩壊のきっかけを作る佐久間象山が輩出された皮肉を伝えるナレーションが入って終わりました。
まあ、それも良かったのですが、私めとしてはその後信之は当時としては恐るべき長寿である92歳まで生きて、真田家存続のために最期まで苦労して天寿をまっとうしたことを伝えて欲しかったなとも思います。
いずれにしても、最終回はいろんな「もし、あの時こうでなければ…」がいろいろありつつの豊臣方の敗戦の顛末が描かれ、
歴史の皮肉さ、運命のいたずらを感じさせました。
幸村が家康を殺していたら、歴史はどう変わっていたでしょうか?
もし、秀頼がベストのタイミングで出馬していたら…
そんなことをいろいろ考えさせられる最終回でしたね。
このドラマについてはいろいろ書きたいこともあるので、総評はまた別の記事でたっぷり書きたいと思います。
今回の評価は…