なので、このドラマの鳩子(多部未華子)と祖母のカシ子(倍賞美津子)のエピソードにも、おのずと涙腺はゆるんでしまうのでした。
NHK 金曜22時
「ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~」第7話(5/26)、最終回(6/2)
主演…多部未華子
脚本…荒井修子
演出…榎戸崇泰(7)、黛りんたろう(終)
ラストの2回は合わせ鏡のようになっていて、第7話ではカシ子がローマにいるペンフレンドに送っていた手紙を息子が持ってきてくれ、
亡くなる間際のカシ子の鳩子への思いが明らかになるというもので、
最終回は、天国のカシ子へ鳩子が祖母の真意が分かった上で、祖母への思いを書き綴るというものでした。
いがみあったまま、最期も一緒にいられなかった祖母と孫娘のすれちがった思いが、ようやく分かりあうさまは涙なくして見られませんでした。
カシ子が代書を親代々とウソをついたり、実は鳩子の母が鳩子を置き去りにしたのではなく、カシ子が連れて行かせなかったというのは驚きましたけどね。
しかし、これが最後の手紙と覚悟し、苦しみながら書き綴る姿には、胸をしめつけられました。
私めの祖母も憎まれ口ばかり言う祖母でしたから、意地をはるカシ子の寂しさが痛いほど分かるのです。
でも、バーバラ婦人(江波杏子)によって、生前のカシ子の思いが鳩子にきちんと伝わり良かったです。
バーバラ婦人の枯れた紫陽花の清々しい美しさという言葉には感銘を受けました。
花見の時の「散るサクラ 残るサクラも散るサクラ」というのも深い言葉でしたね。
このドラマ、しみじみと心にしみる良いドラマでした。
第7話、最終回ともに…
NHKはこういうドラマをこれからも作って欲しいと切に願います。