一人は出産についていろんな言い伝えや、迷信めいたものまで信じている、無痛分娩の麗子(川栄李奈)。
もう一人は初回から出ていて、早く産休あけて職場復帰したいと焦るあまり産後うつになりかけているキャリアウーマンの彩加(高橋メアリージュン)。
特に彩加は、これまでチラチラ回想として出てきた産後うつで自殺した鴻鳥(綾野剛)担当の母親のエピソードとだぶらせても描かれ、
いろいろ考えさせられる見ごたえある回でした。
TBS 金曜22時
「コウノドリ」第3話
主演…綾野剛
脚本…坪田文
演出…山本剛義
このドラマにはいろいろ考えさせられる名ゼリフが沢山出てくるのですが、今回もいろんな人物がイイことを言ってました。
いずれも含蓄のある深~い言葉でした。
まずは、主人公サクラの言葉。
「出産は終わりじゃない、始まりですから…」
これはこのドラマが妊娠や出産だけを描いているのではなく、出産後に母親に起こりうることも丁寧に描くという姿勢を端的に表現した言葉です。
自分が担当した母親を自殺に至らしめたサクラの苦い悔恨に裏打ちされた言葉でもあります。彩加の死をくいとめられて良かったです。
自殺しそうな彩加をひきとめた四宮(星野源)の言葉も印象的でした。
「俺にあなたの気持ちはわからない。だから、今あなたをひきとめているのは、俺のわがままです。まだ治療の道がある患者を放っておくことはできない」
サクラとは対照的に、産後うつは心療医に任せておけばいいというスタンスだったはずの四宮らしからぬ言葉。
クールな表面の陰にある四宮の優しさや熱さを、さりげなく表現する名ゼリフでしたね。
四宮にはもう1つ名ゼリフがありました。
それは彩加の夫康孝(ナオト・インティライミ)を厳しくなじる言葉。
「人間は2人で1つになんかなれない。死ぬまで1人だよ。たとえ夫婦でも別々の人間だからお互いを尊重し合う。それで初めて助け合えるんだろうが!」
いや~、夫婦というものを考えさせられる深い言葉ですね。
康孝の薄っぺらい言葉への痛烈なパンチになってました。
サクラのフォローの言葉も良かったですね。
「赤ちゃんが0歳なら、お母さんもお父さんも0歳ですよ」
育児に悩む人に贈りたい言葉でした。
このドラマの脚本の素晴らしさの一端を今回はお伝えしました。
今回の評価は…