まずは、
「刑事ゆがみ」
浅野忠信
これまであまり連ドラに出なかった人ですが、珍しく連ドラ主演。しかも刑事ドラマでどうなるかと思っていたら、
適当という役名通りにちゃらんぽらんに見えて、実はスゴ腕のベテラン刑事を飄々と演じきりました。これまで重ねたキャリアが良い形で出た感じでしたね。
「コウノドリ」
綾野剛
このドラマの小松役の吉田羊も彼女にとって女優人生で大切な役だと言えるのと同様に、綾野剛にとっても鴻鳥サクラという役は彼のキャリアで非常に重要な役ですね。
前作が傑作だったので、続編がつまらなくなったらイヤだなと危惧しましたが杞憂でしたね。
綾野剛のサクラはより進化し、群像劇の中でしっかり主役として作品の世界観を築き上げていました。
「先に生まれただけの僕」
櫻井翔
バリバリのビジネスマンが校長として教育の現場に放り込まれ、門外漢ながら学校を改革していく…という設定は、櫻井翔に合っているなと期待しましたが、
残念ながら作品的にイマイチで、彼の特性を活かしきれたとは言えませんでした。もっと刺激的に教師たちに毒を吐いて欲しかったです。
「陸王」
役所広司
主演の役者さんは舞台の座長とよく似ていて、このドラマの役所広司はまさに役所広司一座の座長という感じで、
役者さん以外にもいろんなジャンルの人が出演する中、よくそれを束ねたな…と、その苦労のほどがしのばれました。
以上4人の中で最優秀主演男優賞に選ばれたのは…
「コウノドリ」
綾野剛
同じ医療ドラマでも「ドクターX」の大門未知子とは対照的に、決してこの主人公はヒーローではありません。
妊婦さんやママさんたちに寄り添い、ベストな道に導く、むしろ脇役的な存在です。
そんな主人公を慎ましく、かつ穏やかに演じて、それでいて存在感がある。
脇役も多くこなしてきた綾野剛ならではの主演だと思います。
前作より更にキャラクターに深みが増し、最終回前の回でのサクラの思いを語るシーンには感銘を受けました。
前作に引き続いての受賞です。