戦時下なのに緊迫感が足りない…とか、
あんな身綺麗にしていられなかったのでは?とか、批判や疑問もあるでしょうが…
このドラマ、原作からしてどこかファンタジックな世界観があるように私めはとらえてます。
…なので、およそ現代日本に存在しえないヒロインすずのファンタジックとまで言える可愛さは、戦時下にこんな恋や夫婦愛があったということをしみじみと伝えてくれるように思うのです。
TBS 日曜21時
「この世界の片隅に」第3話
主演…松本穂香
脚本…岡田惠和
演出…土井裕泰
隣組の人と作業をしている最中なのに、夫の周作(松坂桃李)に見惚れてしまうすず。
蟻の列をたどって自分の家の砂糖壺にたかっているのを見つけ、あわてて払おうとして水がめに落としてしまうすず。
砂糖を買いに行った帰り道に迷ってしまい、道を教えてくれたリン(二階堂ふみ)へのお礼にスイカの絵を描くすず。
その話を長くなるけど聞いてくれますかと、周作に聞いた上で話をするすず。
リンに言われたけど、知らなかったアイスクリームを周作にごちそうしてもらって感激するすず。
どのシーンも見ていて心癒されました。
この子にこの先、不幸が訪れなければよいのに…と思わせるものがありました。
リンと周作の間に何かあったらしいこと。
二人の視線の交わしあいは、かなり意味深でしたね。
二階堂ふみの物憂げなたたずまいは、実に良いですね。
すずの話から周作の嫁と知るところの表情とか、含みがあってホント見事でした。
周作と、すずを慕う幼馴染みの水原(村上虹郎)との出会いのシーンも良かったですね。
このドラマで、松坂桃李は役者としてワンステップ上がったなとつくづく思います。
抑えた演技の中で感情をにじませることが、自然とできるようになってますね。
恋にも任務にも一途な感じの村上虹郎のまっすぐな演技も好感が持てます。
役者一人一人の演技を巧みに引き出す土井裕泰の熟達した演出あればこそとも思えますが…。
今回の評価は…