誰しもがいろいろと考えさせられる普遍的なものがそこに含まれているところにあると、私めは思っていて、今回もいろいろ考えさせられるものがありました。
テレビ東京 金曜24時12分
「きのう何食べた?」第8話
主演…西島秀俊、内野聖陽
脚本…安達奈緒子
演出…片桐健滋
シロさん(西島秀俊)はケンジ(内野聖陽)に誘われ、ケンジの知りあいのゲイカップルのテツさん(菅原大吉)、ヨシくん(正名僕蔵)と会食することに。
小日向(山本耕史)たちとの会食はまわりを気にしなくていい店だったのですが、今回はまわりは男女のカップルばかりで、
オジさん4人がゲイテイストの会話をしているのは、ちょっと異様な光景で、ゲイバレを恐れるシロさんは落ち着かず会話も耳に入らない状態。
無愛想でイヤな感じになってしまい、そんな器の小さい自分にも腹が立ち、帰り道ケンジに八つ当たりしてしまいます。
周りの目をやたら気にしてしまう人っていますよ。図々しい私めなどは、自分が気にするほど他人は自分のことなど見ていない…というのが持論ですが…。
良かったのは、そのあとの佳代子さん(田中美佐子)と桃を分けっこするシーン。
会食でイヤな態度を取り、ケンジに八つ当たりしたことを反省したシロさんは、ケンジの好物の桃を買ったわけですが…、
ケンジと別れたら自分の方がダメージが大きい…
ケンジはすぐ別の人と付き合い出せるけど、自分はもう恋愛は面倒…
だから絶対別れたくない…
簡単に切れる関係だから努力が必要なんだ…
佳代子さんにだからこそ素直に話せるシロさんの本音に、へぇ~そうなんだ…と聞き入ってしまいました。
そんなシロさんの思いを聞いたあとの佳代子さんの言葉が良かったですね。
「別れないための努力を惜しまないって素敵よ。夫婦なんてそういうのないんだから…」
佳代子さん、深いこと言いますね。
私めは家内に捨てられたら困るので、努力しておりますけどね…(😅)
そんなシロさんに相談があるとシロさんとケンジの部屋に、テツさんとヨシくんが訪ねてきます。
どんな相談かというと、テツさんは自分の財産をすべてヨシくんに渡したい…という遺産相続の相談でした。
「僕が歯をくいしばって貯めた金を、田舎の両親にはびた一文渡したくないんです」
穏やかな口調ながら、テツさんのこの言葉にはドキっとしましたね。
テツさんと両親の間に何があったのかは、一切語られないものの…
きっといろんな苦しみを経て、テツさんはヨシくんという良きパートナーを得たんだろうなと十分推測できました。
愛する人にどうやって自分の財産を望ましい形で遺すか?
それは誰しもにとって大事で難しい課題ですよね。
このドラマは、説明しすぎない余白を大切にしたドラマで、
シロさんが出かける時のケンジとの何気ない仲直りの会話や、
そのあと冷蔵庫で冷やしてくれた桃をケンジが幸せそうに食べるシーンなど、
その思いが豊かに伝わってきて、実によくできたドラマだと思います。
今回の評価は…今までの分も含めて…