2人の母親への気遣い…「少年寅次郎」第4話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今回も良かった~!
寅次郎(井上優吏)と産みの母親のお菊(山田真歩)との対面シーン。名シーンでしたね。




「あなたの番です」に出て注目された山田真歩、いい女優さんですね。感銘を受けました。





NHK  土曜21時
「少年寅次郎」第4話

主演…井上真央
脚本…岡田惠和
演出…船谷純矢




産まれたばかりの寅次郎をくるま屋の前に捨てて行ったお菊。東京を離れることになり成長したわが子を一目見たくて、くるま屋の中をのぞいたり、




寅次郎が通う中学校にも現れます。親切な寅次郎の担任の坪内先生(岸谷五朗)がお菊を寅次郎にひきあわせます。





突然の産みの母親の出現に、目を丸くし声も出せずに固まってしまう寅次郎。




ここからお菊の長い長い一人ぜりふ。
「イヤだよね、そうだよね、イヤだよね、突然現れてもね」



しきりに謝りながら、買ってきた土産を差し出します。
いまだにイメージは赤ちゃんのままだったのでブリキのおもちゃ。
そして、銀座の文具屋で買った下から3番目くらいの値段の万年筆。





いろいろ言い訳しながらおずおずと、寅次郎に手渡します。




受け取るだけは受け取る寅次郎。
しかし、坪内先生がお母さんと一言呼んであげてはどうだと言っても、育ての母親・光子(井上真央)への思いからそれは言えません。





この対面シーン。
自分のことを何度もバカだからバカだからと卑下するお菊。その立板に水の弁舌は、寅次郎は母親に似て口が立つのかと思わせるものがありました。





更に感心したのは、その後の帝釈天のシーン。
お賽銭をはりこんで、寅次郎のことを祈ったお菊と、立ち話をしていた御前様(石丸幹二)、光子との会話。




それとなく、光子に息子のことを聞くお菊。
「心根がまっすぐで、気持ちの綺麗な優しい子、自慢の息子です」と言われ、何とも嬉しげな表情が印象的でした。





身勝手な母親なのに、どこか憎めない愛嬌と心根の良さを感じさせる好演でした。




山田真歩、いい仕事しましたね。これからどんどんいい役のオファーが来るでしょう。




お菊と会ったことも、土産をもらったことも光子には言わず、小物入れに隠す寅次郎。
小物入れにそれを見つけ、寅次郎の様子がおかしかったのと、帝釈天で会った女がさてはお菊だったかと感づく光子。しかし、光子もそれは心に秘めました。




言わず語らずの内の親子の気遣いのし合いに心打たれました。




盲目の両親と暮らすマサオと友達になり、両親に感謝される寅次郎。


坪内先生の娘愛子(井頭愛海)が母親を亡くしたこと、

産みの母親、育ての母親が父親の平造(毎熊克哉)の身勝手に苦しめられたこと、



親子についていろいろ感じさせられた寅次郎が、遂に爆発する平造への怒り。




ピュアでまっすぐな寅次郎の義侠心が父親を許せなかったんでしょう。




いろんなエピソードが1つに集約していく見事な構成でした。




次回は最終回。
もっと見ていたかったですね。





今回の評価は…