そして、少年は「フーテンの寅さん」になった…「少年寅次郎」最終話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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全5話、見終えました。
今年見た連ドラの中で間違いなく5本の指に入る傑作でした。



NHK  土曜21時
「少年寅次郎」最終話

主演…井上真央
脚本…岡田惠和
演出…岡崎栄




身体の具合が悪そうだった寅次郎(井上優吏)の母親光子(井上真央)はすい臓がんで、早くに医者に見せなかったので、もう手遅れの状態でした。




亡くなる少し前に病室で光子と平造(毎熊克哉)が二人きりのシーン。感動的でしたね。
光子の手を握る平造と、その手を頬に当てる光子。




たったそれだけなのに、光子に甘えてやんちゃをしてきた平造と、懐深い愛情でそれを許してきた光子の心の通い合いが伝わってきました。




井上真央も毎熊克哉も目で多くを語る素晴らしい演技だったと思います。





光子の死後、落ち込む平造は喪主もつとめず、葬儀が終わったあとに戻ってきて、代わりに喪主を務めた寅次郎に悪態をつきます。




たまりかねて平造に殴りかかる寅次郎。
光子亡き後、この家にいても平造といがみ合うだけと思ってか、寅次郎は家を出ていきます。





亡くなる前に光子は平造と寅次郎は似たもの同士だからかえって上手くいかないのかと嘆いていましたが、




平造の素直に思ったことを言えず、悪態をついたり、憎まれっ子になってしまうひねくれ者の血は、





寅次郎にも色濃く受け継がれてしまったんでしょうね。





平造は寅次郎が鯉を釣る時も人づてにアドバイスしたり、
家を出た寅次郎を追っかけたりもして、





気遣ってはいるんです。
ただ、捨て子にしてしまった引け目からか、決して甘い顔を見せない。





最後までひねくれたまま親子は別れてしまいました。
そして、寅次郎は憧れた啖呵売に弟子入りし、日本各地をまわるフーテンの寅さんになったのです。




切なく苦い幕切れでした。





このドラマ、私めのような「男はつらいよ」ファンばかりでなく、見たことない人も見たくなるような「男はつらいよ」につながるさまざまな要素が盛り込まれていました。





寅次郎役の二人の少年はじめ、みな適材適所、好演し、見ごたえがありました。





録画したものは保存版にします。
最終回は…