死にゆく苦しみからの解放…「コタキ兄弟と四苦八苦」第4話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今回のテーマは「死苦」死にゆく苦しみでした。
良質な短編小説を読んだあとのような、しんみりした余韻が残る回でしたね。



テレビ東京  金曜24時12分
「コタキ兄弟と四苦八苦」第4話

主演…古舘寛治、滝藤賢一
脚本…野木亜紀子
演出…山下敦弘




一路(古舘寛治)と二路(滝藤賢一)の世界の終わりの話を聞いて、声を出して楽しげに笑う依頼人、須弥子(樋口可南子)のアップで映された笑顔が印象的でした。




余命少ない須弥子の苦しみを、少しでも軽くしようと、コタキ兄弟なりに懸命に努力する姿、その思いやりにふれて、須弥子はこの人たちを雇って良かったと思ったことでしょう。



しかし、皮肉にも心が通ってしまったために、コタキ兄弟は最期を看取るまで雇ってもらえなくなりました。



須弥子が求めていた関係性を逸脱してしまったからです。



樋口可南子の笑顔には、そんな喜びと寂しさが入り交じっていて、何とも言えない笑顔でした。




見終わってから、複雑な笑顔の意味が分かるというところに脚本、演出の優れた計算を感じ、感服しました。
やはり、野木亜紀子はスゴいです…
この深さを今クールの医療ドラマはなかなか描けてない。




医療ドラマでないこのドラマの方が、むしろ人の生き死にの深さを描いてくれるとは皮肉でした。




須弥子の語る理科室の水晶の話も印象的でしたね。
ラストにムラタ(宮藤官九郎)から、須弥子は海に散骨されたと聞いてハッとするコタキ兄弟。




伏線が最後にまた活きてきて余韻をうむ…
こんな脚本はそうそうありません。
お見事でした。




樋口可南子も良かったですね。
喫茶店でコタキ兄弟を面接するところのズケズケした感じ、買いたい洋服の写真を撮って来させては、ダメだししてまた行かせる横暴さ、




それが、余命わずかと告白してからは一転してグッと共感キャラへと転換する落差は、彼女ならではでした。




田中裕子同様にもっと連ドラに出てほしいですね。




コタキ兄弟のキャラもうまく活かされていて、死を扱いながら、ほんわかとした空気感でした。




見逃した方はぜひ配信で見ていただきたいです。
今回の評価は…



あとでをつけとけば良かったとなりそうなので、今からつけときます。