重岡大毅が演じている野中という役は、とことんクズで、その救いの無さが逆に1周回って魅力的にすらなってきました。
日本テレビ 水曜22時
「知らなくていいコト」第9話
主演…吉高由里子
脚本…大石静
演出…塚本連平
野中は今回もとことん落ちていく一方で、カノジョのはずの小泉(関水渚)には、もう何の魅力もない、ウザい!サイテー!と疎んじられ、
それでやけ酒を飲んで泥酔でケイト(吉高由里子)の家へ。ドアの前で今にも吐きそうな状態なので、中に入れたら、
グダグダとサイテーなことを言い続け、ケイトに呆れられつつ、帰って行きます。
野中はケイトが殺人犯の娘と信じて疑いませんが、話はそうじゃない方へ向かっていて、そういう意味でも哀れにさえ見えてきており…
職場へも出社せず、それでも近くまで様子を見に来る小心者ぶり。
ここまで徹底してサイテーに描かれると、脚本の大石静の別な意味でのこの役への愛着を感じるほどです。
野中があまりに酷いので、ケイトの後輩の浦西(渕野右登)が、まだましに見えてきて、今回は浦西なりのアプローチを取材対象にして、ケイトもいい勉強になったほどでした。
このドラマは「病院の治しかた」や「ケイジとケンジ」と同様に、脇の小さな役に至るまでキャラがしっかりできていて、この浦西もこれまで描かれてきたゆとりっぼさが、今回は巧みに活かされました。
このへんがベテラン脚本家ならではの仕事ぶりですね。
今回の評価は…