今回は兄弟の腹違いの妹のさっちゃん(芳根京子)が生まれながらに抱えてきた、LGBTであるがゆえの苦しみ「生苦」を描いてきました。
扱い方が非常に難しい題材ですが、実にこのドラマらしいところに落し込んで描いた、脚本、演出、キャスト三位一体の力量の高さに感服しました。
テレビ東京 金曜24時12分
「コタキ兄弟と四苦八苦」第11話
主演…古舘寛治、滝藤賢一
脚本…野木亜紀子
演出…山下敦弘
さっちゃんがバール男と仲良くなる姿に兄弟がヤキモキしているところに、さっちゃんが同棲していた元カノのミチルが登場。
さっちゃんはバール男に恋人のふりをしてもらい、ミチルをつれなく追い返そうとします。
さっちゃんが同性愛者と知って動揺する兄弟。
以前、自分の娘がそうだったらと不安になり、勉強をしたことがある二路と違い、
浅い知識しかない一路は、さっちゃんを励ますつもりで、固定観念にしばられた不用意な言葉をぶつけてしまいます。
こういう一路のような真面目で普通の人が相手に良かれと言う無理解な言葉が、一番LGBTの人を傷つけるということを、実に鮮やかに描いてみせました。
心やさしき兄たちは、妹さっちゃんのだめに、二路はミチルから話を聞き、その偽らざる思いを聞き出し、
一路は自分の過ちを猛省し、LGBTについて猛勉強をします。
そんな一路がさっちゃんに言う言葉が心に響きました。
「それでも生まれちゃったんだよ、俺たちは。出ちゃったものは戻せない。この体でこの心で生まれてきてしまった。
けれどもその先は好きにさせてもらうぞ、神様!
あなたが、あなたたちが、あなたとして生きていくことを俺は祝福する」
LGBTの人を励ます素晴らしい言葉でしたね。
さっちゃんと再び一緒になれるように歯科医の国家試験を受けるミチルに、さっちゃんは声援を送りに行きます。
感動的なシーンでした。
芳根京子のひたむきさが実に良いですね。
今回の評価は…