病室で念仏を唱える松本…「病室で念仏を唱えないでください」最終回 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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このドラマの終盤がグッと良くなったのは、松本(伊藤英明)の亡き親友の父親、宮寺役の泉谷しげるの好演あればこそでした。




最終回、亡くなってしまいましたが、生前に書いていた本人の希望通りに、松本に念仏を唱えてもらいながらの安らかな死顔でした。




TBS  金曜22時
「病室で念仏を唱えないでください」最終回

主演…伊藤英明
脚本…吉澤智子
演出…平野俊一



医師には救える命もあれば、救えない命もあります。
このドラマは人の生と死について考えさせてくれるドラマですが、このドラマらしい訴えかけを見る者にしてくる最終回でしたね。




通り魔事件が起き、ドクターカーで松本や三宅(中谷美紀)らが現場に急行、被害者の処置にあたりますが、そこに犯人が現れ、包丁で自ら死のうとします。




しかし、松本は飛びかかってそれを阻止、犯人も被害者と搬送されます。
被害者の娘はなぜ犯人を死なせなかったと松本をなじります。




被害者が治ったあと、娘に松本が言う言葉が印象的でした。
長くなりますが、このドラマのテーマを伝えるものなので引用します。



「なんでお母さんがあんなめにあわなければならなかったのか、何も悪いことをしてないのに。なんで大事な人や友だちが死ななきゃならないのか?

そういう理不尽が、お坊さんになったら僕も分かると思ってたんだ。だけど分からない。

そういう理不尽な目にあった人にかける言葉も分からない。だけど、それでも人の命を救うのは、たぶん僕の欲だ。

1人の命、1日長らえた命が作る未来が、今日より良くなってほしいって期待してる。

欲深い煩悩の塊だ。悟れない、全然悟れない」




親友を亡くしたショックから医師にも僧侶にもなった松本の、まさに偽らざる魂の叫びとも言える言葉ですね。




延命治療をせず、濱田(ムロツヨシ)を勇気づけ、三宅を癒し、病室で楽しそうにみんなと合唱をした末に、宮寺は亡くなります。




悟りの境地に至った安らかな最期でした。
松本にしでみれば救いたかった命です。
救えなかった悔いにさいなまれながら、禁止されている病室での念仏を宮寺のために唱えるのでした。



超高齢化社会になり、人は最期をいかに迎えるかが、ますます重要になるでしょうね。




良い最終回でした。
今回の評価は…