思い出の連ドラ回顧シリーズ…「オレンジデイズ」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今日から始めることにしました思い出の連ドラ回顧シリーズ。
その最初は何から書くか悩みましたが、現時点で既に最多4人の方からリクエストがあるこのドラマから書くことにしました。


2004年春ドラマ
TBS  日曜21時
「オレンジデイズ」

主演…妻夫木聡、柴咲コウ
共演…成宮寛貴、瑛太、白石美帆、小西真奈美、山田優、上野樹里、小日向文世、風吹ジュン

脚本…北川悦吏子
演出…生野慈朗、土井裕泰、今井夏木
主題歌…Mr.Children「Sign」




これは恋愛ドラマの名作でしたね。
脚本の北川悦吏子は「あすなろ白書」や「ロングバケーション」で恋愛ドラマの名手として人気脚本家になった人ですが、




既にこのドラマの前にもろうあ者の男性との恋を描いた「愛していると言ってくれ」や車イスの女性との恋を描いた「ビューテイフルライフ」を書いて大ヒットしており、




ハンデのある相手との恋愛の切なさを書く名手でもあったわけです。




そんな北川悦吏子の集大成とも言えるのがこの作品でした。
柴咲コウ演じるヒロインの沙絵は将来を期待されるバイオリニストでしたが、留学中に聴覚をほとんど失い、心を閉ざしています。




このヒロインは生まれながらにハンデを背負ったわけではなく、ほんの4年前にそうなってしまった、それがミソでした。




元は聴覚に優れ、明るくおしゃべりもできたのに、バイオリニストにとって生命線の聴覚を失い、しゃべりもままならなくなってしまい、心がねじくれてしまうのです。



セリフが少ない分、柴咲コウの眼力鋭い目の演技がすばらしかったですね。
さまざまな感情を目が饒舌に語っていました。




柴咲コウにとって、前年に「GOOD LUCK!!」や「Dr.コトー診療所」のヒロインを演じたあとに得た連ドラ初主演の作品でした。




作品に恵まれ、それに十分にこたえる勢いと地力がありましたね。




そんな沙絵の閉じた心を開いていく青年、櫂を演じたのが妻夫木聡でした。
この時の妻夫木聡は前年に「ブラックジャックによろしく」で連ドラ初主演を果たし、これが連ドラ主演2作品めでした。




こちらもようやく主演を手にするようになった勢いがありました。




妻夫木聡の強みは最近の若い人で言うと事務所の後輩の竹内涼真のようにまっすぐな一途さにありました。



困難にぶつかっても何とかしようと一生懸命になる…そんな武骨さに、ひねくれた沙絵の心が開いていく過程が、このドラマの見どころでした。




名作と呼ばれるドラマは後に売れっ子になる人がゾロゾロ出ている…というのが私めの持論ですが、このドラマもそうですね。




瑛太はまだこの時は3番手だったわけです。
このあとも「アンフェア」や「のだめカンタービレ」などに出た瑛太が連ドラ初主演を果たすのはこのドラマから5年後の「ヴォイス」まで待たねばなりませんでした。




妻夫木聡の妹役を上野樹里が演じていたのは、すっかり忘れてました。
まだ意識して見てなかったんですね。





成宮寛貴の櫂の親友、翔平も良かったですね。
チャラチャラした女好きに見えて、実は優しい面がある二面性をナイーブに演じていました。




表舞台から消えてしまったのが残念でなりません。年齢を重ねて更に良い役者になっていたでしょうに…。




脚本の北川悦吏子はこのドラマ以降は「たったひとつの恋」や「素直になれなくて」も書きましたが、恋愛ドラマ自体が視聴率を取れず衰退していき、あまり執筆しなくなりました。




2018年には朝ドラの「半分、青い。」を書きましたが、もう一度彼女らしい恋愛ドラマを書いて欲しいものです。



【追記】

私めとしたことが、このドラマの肝心なことを書き忘れてました。
恋愛ドラマの名作には主題歌がラブソングの名曲というのが、切っても切り離せないものです。




その時代に勢いのあるアーチストが歌う主題歌は、大抵ドラマのクライマックスに流れ、切なさや感動を盛り上げます。




前置きが長くなりましたが、このドラマの主題歌、Mr.Childrenの「Sign」はこのドラマにビッタリのまさに名曲でした。




♪ありふれた時間が愛しく思えたら  
それは愛の仕業と小さく笑った  
君が見せるしぐさ  僕に向けられてるサイン
もう 何ひとつ見落とさない 
そんなこと考えている




あの頃、よくカラオケで歌ったな~と、おじさん感慨無量です。