思い出の連ドラ回顧シリーズ…「最後から二番目の恋」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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欧米の映画では、洒落た大人の恋愛ものってありますが、日本の連ドラではなかなかありませんね。映画もそうですが。





このドラマは「いい歳をした大人」の「いい歳をした独身」だからこその恋愛模様をユーモアとペーソスをまじえて描いた傑作でした。




2012年 冬ドラマ
フジテレビ 木曜22時
「最後から二番目の恋」

主演…中井貴一、小泉今日子
共演…飯島直子、坂口憲二、内田有紀、浅野和之

脚本…岡田惠和
演出…宮本理江子、谷村政樹、並木道子
主題歌…浜崎あゆみ「How beautiful you are」



これは傑作を数多く書いている岡田惠和の脚本の中でも五指に入る傑作ですね。




90年代の連ドラが元気のあった時代、「白鳥麗子でごさいます!」「チャンス!」「南くんの恋人」「若者のすべて」「イグアナの娘」「ドク」「ビーチボーイズ」「彼女たちの時代」と、今回リクエストにもいただいている人気ドラマを量産するヒットメーカーでした。




しかし、2001年に朝ドラ「ちゅらさん」を書いて以降は、かつてほどの作品に勢いはなくなり、11年にまた朝ドラ「おひさま」で成功してからは、一皮向けて含蓄のある秀作を手がけ始めました。
そのエポック的な作品がこのドラマてす。




ちなみにこのドラマ以降、岡田惠和は「泣くな、はらちゃん」「スターマン・この星の恋」「さよなら私」「ド根性ガエル」「この星の片隅に」「少年寅次郎」と独特のタッチで人間の絆の深さ、美しさを描き続けます。





さて、なぜここまで長々と脚本家について書いたかというと、このドラマは単なる「大人の恋愛ドラマ」などとカテゴライズできない、ホームドラマやお仕事ドラマの要素も含まれた独特のドラマだったのです。




そして、何より素晴らしかったのは、毎回必ずある中井貴一と小泉今日子二人のやりとりでした。



憎まれ口をたたきあって、相手を攻撃しながら、時には和解したり、共感しあったり、気遣ったりもする。



年齢を重ねた熟年だからこその含蓄のある名言も飛び出したり…とにかく、この二人のやりとりが私めの最大の楽しみになりました。




共にハマったわが妻は全話終了後に二人のからみシーンだけを集めたDVDを別に作ったほどでした。




今回改めてそれを見ましたが、いや~面白かった!アドリブもあるんでしょうが、よくまぁこれだけのセリフが書けるな~と感心しました。




レストランのシーンなんて、ホント最高です。先日亡くなった志賀廣太郎さんが店員役でした。




また、そのセリフを自然体でまるで本人たちがしゃべっているように演じた主演の二人も素晴らしかったですね。




小泉今日子は元々自然体の人ではありましたが、中井貴一が年齢を重ねて、肩の力が抜け、カッコ悪いところもコミカルに演じられるようになったのが大きかったですね。




独身を続けて職場でも部下を従え、どんどん男前になりおじさん化している小泉今日子演じる千明と、



シングルファーザーで市役所勤務の堅物、弟や妹に細かいダメ出しをし、どんどんおばさん化している和平。





その二人の対比が生み出すズレが絶妙に面白かったです。
回を重ねてお互いを理解して、絆を深めていくプロセスが描かれました。



脇のキャラでも愛すべきキャラがいて、織本順吉が演じたスケベなじいさんや、佐津川愛美が演じたチャッカリ者の和平の部下、森口博子と渡辺真起子が演じた千明の独身仲間。




どのキャラも生き生きと描かれ笑いを生み出してました。



2年後に続編も作られましたが、やはり第1作が傑作です。




舞台になった鎌倉の極楽寺のあたりにも実際行ってロケ地をめぐったのも懐かしい思い出です。