思い出の連ドラ回顧シリーズ…「すいか」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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実はこのドラマが放送された時に私めは見ていないんです。




視聴率が低いみたいだし、ま~見なくていいかなとスルーしてしまっていたのですが、放送途中から評価が高まり、放送後、いろんな賞を受賞、見れば良かったと後悔しました。




…なので、DVDが出てからレンタルして一気に見たのです。
見たら、なるほど、ちょっと不思議な魅力に満ちた傑作でした。




「野ブタ。をプロデュース」を見て脚本の木皿泉に興味を持った方や、「凪のお暇」を見てあの住民たちの暮らしぶりを良いな~と思った方はぜひ配信やDVDでご覧いただきたい作品です。




2003年 夏ドラマ
日本テレビ  土曜21時
「すいか」

主演…小林聡美
共演…ともさかりえ、小泉今日子、浅丘ルリ子、市川実日子、白石加代子、高橋克実

脚本…木皿泉、山田あかね
演出…佐藤東弥、吉野洋、佐久間紀佳
主題歌…大塚愛「桃ノ花ビラ」




三谷幸喜がメイン作家だった「やっぱり猫が好き」の第2シーズンの脚本家の一人に入っていたのが木皿泉です。




その力量を買われ、日本テレビで初の連ドラを書いたのがこの作品でした。
連ドラデビュー早々に向田邦子賞を受賞するという偉業も果たしました。




ご存知でない方のために説明をしておきますと、木皿泉は一人ではなく今では結婚しているご夫婦の共同ペンネームです。




夫の務さんは構成作家でしたが、木皿泉のペンネームで脚本を書きはじめ、「やっぱり猫が好き」の脚本依頼を機に、脚本家だった妻・年季子とペアを組み、共同ペンネームとなりました。




その二人が連ドラデビューしたのがこの「すいか」です。




小林聡美演じる主人公の基子は、34歳独身の信用金庫のOL。小泉今日子演じる同期の馬場ちゃんが興味を横領事件を起こし逃亡をしたのを機に、




しがらみにがんじがらめの自分も解放されたいと思い立ち、家を出て不思議な住人たちのいるアパートに転がり込む。




そこで住人たちや大家との交流で基子が変わっていくさまが、淡々としながらハートフルに描かれていました。




「野ブタ。をプロデュース」の修二と同じように周りを気にして息苦しく生きてきた基子の変化は、ストレス社会に生きる多くの人の共感を得るものでした。




浅丘ルリ子演じるサバサバして男前な教授、ともさかりえ演じる双子の姉を亡くし未来に希望を持てない売れない漫画家、市川実日子演じる女子大生なのに逃げた父にアパートを押し付けられた大家さん。




彼女たち一人一人が魅力的なキャラでした。
特に浅丘ルリ子の浮世離れした感じは存在自体がファンタジーでした。




木皿泉らしい示唆に富んだ名ゼリフもかなり多かったと記憶しています。




木皿泉とプロデューサーはより多くの人に見てもらいたいために、次の「野ブタ。をプロデュース」以降、「セクシーボイスアンドロボ」や「Q10」は若者に人気のアイドルや若手男優を主演にしました。


木皿泉については機会があれば、またより詳しく書きたいのですが、独特の作風で、ぜひまた連ドラ脚本を書いているもらいたいと熱望してやみません。