今では少なくなってしまった(この作品の放送当時も少なかった))2クールにわたって放送された大作でした。
2003年 秋~04年 冬ドラマ
フジテレビ 木曜22時
「白い巨塔」
主演…唐沢寿明
共演…江口洋介、黒木瞳、石坂浩二、西田敏行、伊藤英明、高畑淳子、伊武雅刀、上川隆也
脚本…井上由美子
演出…西谷弘、河野圭太、村上正典、岩田和行
主題歌…「Amazing Grace」
山崎豊子の原作が既に素晴らしいものですから、時代設定を変えても、さほどマイナスはありませんでした。
ご覧になっていない方はぜひ田宮二郎主演の映画版も見てください。
そちらも傑作です。
田宮二郎はドラマもやりましたが、主人公財前の野心をギラギラと演じていて、田宮二郎といえば財前五郎くらいの当り役でした。
…なので、田宮二郎のイメージの強い財前役を唐沢寿明はよく引き受けたなと思ったものです。
しかし、フタをあければ唐沢寿明もまた唐沢寿明なりの財前五郎を演じきり、見事でした。
そして、このドラマは唐沢寿明もさることながら、何しろ周りの脇役陣が、良かったんです。
とりわけ、伊武雅刀の鵜飼教授、石坂浩二の東教授、西田敏行の義父の又一は絶品でした。
あと、高畑淳子の東教授夫人!
この4人の好演なくして、このドラマの良さは語れません。
人間のあさましさ、愚かさをカリカチュアした演技で見せながら、下品にならないのは、4人の豊富なキャリアから来る年輪ゆえでした。
権力を手にするために、医師本来のあるべき姿を忘れてしまう…
日本の偉い政治家にもそんな人がゾロゾロいますよね。
このドラマの財前のように、彼ら政治家にも、己の過ちを思いしる日が来れば良いのですが…