能とプロレスの絶妙な融合…「俺の家の話」第3話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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古典芸能の中でも高尚でとりわけ馴染みのうすい「能」と、スボーツの中でも演出があったりして低く扱われ勝ちな「プロレス」




そのおよそ対照的な2つを、寿一(長瀬智也)というキャラクターを通して、絶妙に融合させた宮藤官九郎の脚本に感服する第3話でした。





TBS  金曜22時
「俺の家の話」第3話

主演…長瀬智也
脚本…宮藤官九郎
演出…山室大輔




このドラマはいろんな要素がてんこ盛りで入っているので、1つ1つを丁寧に取り上げていたら、とても長~い記事になってしまいます。




…なので、要点をしぼって書きますが、およそかけ離れた感じの「能」と「プロレス」を「体幹」というキーワードで結びつけたのはお見事でした。




父の寿三郎(西田敏行)に能の稽古をつけてもらっている時、体幹をしっかりするよう厳しくダメ出しされている寿一は、




元いたプロレス団体の窮地を救うため、覆面レスラー、その名も「スーパー世阿弥マシン」で能面をつけリングに復帰。




試合中に腰を痛めてしまいますが、稽古中に寿三郎に言われた「体幹」のことを思い出し、それでその場をしのぎます。




たまたま観戦していた寿三郎が、まさか寿一とは気づかず、家に帰ってから今日見たレスラーの体幹を寿一に誉めるというのが面白かったです。




介護に関しては、シルバーカーで外を歩くことの抵抗や、介護する家族もこれはいつか終わるイベントと考える方がよいってことなど、





ありがちなリアルさをふんわりと笑いで包んで、深刻にならずに描くさじ加減がこれも素晴らしく、




シルバーカーでさくら(戸田恵梨香)と散歩に出た寿三郎が、さらりと「死に方がわからない」と言ったのはドキリとしました。





広げた風呂敷の畳み方が分からないと嘆く寿三郎に、さくらは家族が畳むから広げたままで良いのではと慰めるやりとりが今回、最も心打たれました。




西田敏行ってやっぱりスゴいな~とこのドラマを見ると痛感します。




しかし、さくらの身の上話を新作能で見せた奇抜なアイデアには驚かされました。




まだまだ円熟なんかしないぜ!というクドカンのトンガリ健在を見て嬉しくもありました。




あと、私めはさほど熱いプロレスファンではありませんが、長州、武藤、蝶野が1つの画面におさまるシーンはちょっと嬉しくなりました。





今回の評価は…